「動画を観て同じようにやっても結果が出ない」
それはそうです。申し訳なく思いますが、観てすぐ真似ることができるような技術は、オープンパスには1つだってありませんし、技術の背景にある戦略や理論も意図してYouTubeには公開しておりません。
(「ワーキングメモリ」「言語論」「記憶」「脳科学」などの一般理論については、講義で話していますが)
稀にかなり要領の良い人がいて、「こんな感じか」とやってみたとしても、良くみて25点くらいの内容になるかと思います。
90点くらい取れるなら、その人は天才に間違いなく、オープンパスどころか、どの他の技法体系でも技術的には乗っ取れます。まあ、資格は許されなくても。
だいたいそういう人たちが、いわゆる「創始者」となっています。過去や周囲を見渡せば納得できるでしょう。
オープンパスの特徴としては、正確な触察を基礎に置いた手技力と共感的なタッチがあってこその技術です。
じつは私(小川)は、指先がかなり不器用で、才能的に触察にはまったく向きません。手で物を扱うのも苦手です。しかし、不器用だからこそ、今日の触察力が身についたと思っています。
数えきれないくらいの繰り返し練習と工夫の連続がありました。自分の身体で練習する毎日の中で壊した部分は身体中に隙間なくあります。
オープンパスで触察を習う人たちが私のような苦労をしないのは、たぶん私よりも器用なのと、私たち(小川や斎藤)が苦労したうえでダメだと思った練習法を皆さんにさせないようにしているからだと思います。
昔はそうしたことをお伝えするのがかなり下手で、少し厳しい指導者だったかもしれません(今は年齢と共に丸くなっています)。
とにかく、触察の基礎、そして共感的で高いタッチの質がなければ、オープンパスの技術をYouTube動画を観ただけでは実践できないでしょう。また、そういう作りにもなっています。
挑戦してみてもいいですが、相手に怪我など負わせても責任は持てません。
(私自身、自分の身体で試して、何度も怪我をしています。特に触察や筋膜操作では)
ただし、オープンパスのベーシックセミナーで触察を習った人は、たぶん難なく真似できるでしょう。
(できないという人は、オープンパスの勉強会に参加していただきたいです。今年度は月1のペースでやる予定ですから)
触れることはコミュニケーションです。ラポールが取れていなければ、技術的に何もできません。
触察は文字通り、触れて察するので、ラポールが取れなければ、何の情報も得られないか、間違った情報を得るか、になります。
手技圧にしても、オープンパスには強圧、弱圧という概念がありません。正確に適切な位置・深さに1ミリも狂わず手を置けるか、置けないかによって、結果がまったく異なります。
そして、手技のリズム、方向、速度などを決めるのも、手技による対象部位とのコミュニケーションから得てきます。ファシャワークでもソマティカルワークでも、それは変わりません。
というか、ソマティカルワークのような徒手技術を使わないワークのほうがもっと難しいかもしれません。身体の緊張だけでなく、心の緊張も汲み取って、動き(身体運動)を導くために伝える言葉を作ったり変えたりしなければなりません。
もしオープンパスのYouTube動画を観てくださって、この技術を使ってみたいという人がいらしたら、ぜひオープンパスにお問い合わせください。
