今回は梨状筋、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋の5筋を触察実習しました。
予定では大臀筋、中臀筋、大腿筋膜張筋に引き続き上記の筋群を触察実習する予定でしたが、そうすると深層筋群の途中で時間切れ(第9期は夜間のトレーニングなので、1回3時間です)となってしまう可能性があったので、あえて順番を変えて行いました。
深層筋群については、全て関係づけて同じ回に行いたかったので、そうしました。
その結果、表層筋群の触察実習は次回に持ち越すことになりました。
今回はオープンパス1期生の高橋さんと4期生の生田さんが参加してくださいました。
第4期まではパルペーション・トレーニングとファシャワーカー養成トレーニングが分割されておらず、触察に関しては現在のように細かいところまではお伝えしていませんでした。
それなので触察に関しては、高橋さんと生田さんのお二人は9期生の皆さんとあまり変わらない立場です。
それにも関わらす、やはり実践経験が「物を言う」という感じで、お二人の技術力には驚かされました。
かつお二人とも優れた武術家(意拳、小野派一刀流)なので、そうしたことも関係あるのかと思いました。
触察時の重心移動、手技の用い方、力の抜き方(私が注目する若手ボディワーカーさんが「抜力」という言葉を使っています。この言葉が例えば「脱力」より、お二人にはピッタリきます)など、構えからの技運びが図抜けていました。
【梨状筋】
(起始)仙骨前面
(停止)大転子尖端後縁
【内閉鎖筋】
(起始)骨盤内面の閉鎖孔周囲
(停止)大転子転子窩
【上双子筋】
(起始)坐骨棘
(停止)大転子転子窩
【下双子筋】
(起始)坐骨結節上部
(停止)大転子転子窩
【大腿方形筋】
(起始)坐骨結節外面
(停止)大転子後面下部の転子間稜

マックス君の臀部

今回は梨状筋、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋の5筋を触察実習しましたが、これらに外閉鎖筋を加えた6筋で「臀部深層外旋6筋」と呼ばれます。
外閉鎖筋の触察は、しばらくお伝えしていません。
第2期でこの筋に対する施術法をお伝えした際に、その準備として行ったのが最後だったと思います。
内転筋群の下層にあるので、手技を到達させるのが少し難しく、被触察者が股関節屈曲位で長内転筋後側のポケットから進入させる方法が比較的容易ではないでしょうか。
外閉鎖筋の触察に関しては、後ほど(このトレーニング中に、もしくはインテグレーティブワーカー養成トレーニングの中で施術の準備として)行うかもしれません。
臀部深層外旋6筋は、靭帯群と協力して大腿骨頭を支持し、股関節の動きを安定させます。
上腕骨頭、腱関節に対する肩部回旋筋腱板と同様の働きです。
今回は5筋の触察実習でしたが、これらの位置、作用を関係づけながら行いたかったので、5筋連続での触察となりました。
最初に指標として上後腸骨棘、下後腸骨棘、仙骨外縁、坐骨結節、仙結節靭帯、大転子、転子間稜(大転子から小転子まで触察しました)、転子窩を確認し、その後に梨状筋の上縁、梨状筋の下縁、大腿方形筋の下縁、大腿方形筋の上縁、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋の順で触察しました。
どの筋に対しても外旋させながらの触察となりましたが、働きを増幅させるために内転位または外転位からの外旋となりました。
最後にご質問にお答えする形で、梨状筋と内閉鎖筋の簡単な位置把握法をお伝えしました。
また梨状筋症候群についてお話ししました。