2014年08月16日

第9期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第14回

8月14日、第9期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第14回が開催されました。
今回は、各脊椎(頸椎、胸椎、腰椎)棘突起と脊柱起立筋群(腸肋筋、最長筋、棘筋)の触察実習を行いまいした。


頸椎棘突起の触察は被触察者座位で行いました。
外後頭隆起を捉えた後、手指を軽く圧しながら、頸部上を尾方に滑らせていくと、指腹に3つの目だった突起が当たります。
それらの突起は、第2頸椎(軸椎)、第6頸椎、第7頸椎の棘突起です。

第2頸椎棘突起のすぐ頭方に小さな窪みがあって、その底に第1頸椎後結節(棘突起が退化したもの)があります。
被触察者の頸部を他動的に少し伸展させると、触察しやいです。

第2頸椎棘突起から第6頸椎棘突起の間を、少し強めの圧で(つまり少し深めに)たどると、第3〜5頸椎棘突起が容易に触察できます。

第7頸椎棘突起が、第1胸椎棘突起と鑑別しにくいときがあります。
そんな場合には、頸椎を屈曲すると第7頸椎棘突起が目立って突出します。
それでも鑑別しにくければ、頸椎を屈曲位のまま回旋すると(伸展位では環軸関節の動きになってしまいます)、第1胸椎棘突起よりも第7頸椎棘突起のほうが回旋に連れて大きく動きます。
ちなみに、背臥位で調べるためには、第7頸椎棘突起、第1胸椎棘突起と思われるあたりに手指を当て、胸骨を軽く圧します。
すると、第1胸椎棘突起が指腹を押してきます。


胸椎棘突起と腰椎棘突起の触察は被触察者腹臥位で行いました。
両腕は体幹に沿わせます。
肩峰より少し頭方の高さに第1胸椎棘突起、肩甲骨上角の高さに第2胸椎棘突起、棘三角(基部)の高さに第3胸椎棘突起、下角の高さに第7胸椎棘突起、肩甲帯レベル(下角)と骨盤帯レベル(腸骨稜、ヤコビー線)の中央に第12胸椎棘突起、腸骨稜の高さ(ヤコビー線)に第4腰椎棘突起があります。
以上を確認した後、それらを指標として他の棘突起を探しました。

9-14-1.jpg


腸肋筋、最長筋、棘筋の触察は被触察者腹臥位で行いました。

9-14-2.jpg

【腰腸肋筋】
(起始)胸腰筋膜、仙骨後面
(停止)第6(7)〜12肋骨
【胸腸肋筋】
(起始)第7〜12肋骨角
(停止)第1〜6肋骨角、第7頸椎横突起
【頸腸肋筋】
(起始)第3〜6肋骨角
(停止)第4〜6頸椎横突起

腰背部で胸腰筋膜に包まれた脊柱起立筋群の束を捉えて、その束が胸郭上では肋骨角上からその内側に乗るように走行しているのを確認しました。
またその束が、広背筋とどういう位置関係かを調べました。

腸肋筋は脊柱起立筋群の最外側を走行します。
胸郭下半で肋骨角上を軽く押圧しながら手指を内外に動かすと、指腹に小さなコード上の膨らみを感じとれます。
体幹を軽く伸展すると、その膨らみが硬くなり、少し盛り上がる様子を感じとれます。
その膨らみを上に頭方と尾方にたどります。
頭方では肩甲骨内側縁に沿って(腹臥位なので、肩甲骨は外転位)走行し、尾方では胸郭上を過ぎると、しだいに内側を走行する筋(最長筋)と鑑別ができなくなります。


【胸最長筋】
(起始)腰椎肋骨突起後面全長、胸腰筋膜
(停止)全胸椎横突起
【頸最長筋】
(起始)第1〜4(5)胸椎横突起
(停止)第2〜6頸椎横突起
【頭最長筋】
(起始)第1〜4(5)胸椎横突起、第(4)5〜7頸椎関節突起
(停止)乳様突起

腸肋筋の内側で、脊柱起立筋群の最も高い部位を走行するのが最長筋です。
最長筋は、脊柱起立筋群の中で最も大きいです。
体幹を軽く伸展すると(伸展しすぎると、腸肋筋との鑑別ができません)、かなり大きく膨らみます。
腰背部では腸肋筋と合していて(共同腱となっています)鑑別が困難ですが、胸郭上では境界が分かりやすいです。

最長筋は細かく触察すると、2、3のグループに鑑別することができます。
デモンストレーションでは、3グループに感じとれる部位を、受講生に皆さんにも触れていただきました。
触察実習の際にも、同様に細かく鑑別していただきました。


【胸棘筋】
(起始)第11胸椎〜第2腰椎棘突起
(停止)第1〜第4胸椎
【頸棘筋】
(起始)第(6)7頸椎・第1、2胸椎棘突起
(停止)第2頸椎棘突起

棘筋の触察実習では、横突棘筋群である多裂筋や回旋筋との鑑別を行いました。
手指を棘突起のすぐ外側に当て、脊柱を同側に回旋すると棘筋が、反対側に回旋すると多裂筋などが働きます。
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