今回は縫工筋、大腿直筋、中間広筋の触察実習を行いました。
今回で前半が終了しました。
これまで触察実習した筋肉は50筋です。
前期までと比較して遅いペースですが、新しい情報も入っていますし、より充実した内容となっています。
【縫工筋】
(起始)上前腸骨棘
(停止)脛骨粗面内側

最初に縫工筋を簡単に触れる方法をお伝えしました。
この筋は表層にあるので、難なく触れることができます。
次に骨指標として上前腸骨棘、膝関節、脛骨粗面内側を確認しました。
また、脛骨粗面内側に付着する半腱様筋、薄筋、縫工筋の腱(鵞足)を、どれと特定せずに触察しました。
最後に縫工筋の働きを、2通りのムーブメントを用いて調べました。
また、鵞足を改めて詳しく触察しました。
【大腿直筋】
(起始)下前腸骨棘、股関節包
(停止)大腿四頭筋共同腱→膝蓋骨→脛骨粗面
【中間広筋】
(起始)大腿骨前面近位2/3
(停止)膝蓋骨→脛骨粗面

最初に膝蓋上包を触察しました。
膝蓋上包は中間広筋の深層にあるのですが、膝関節伸展位で膝蓋骨の頭側を軽く押圧することで感覚することができます。

また、膝蓋上包を触察すると必然的に触れることになる膝関節筋(疎らな線維で出来ています)について説明しました。
次に大腿四頭筋の骨指標として膝蓋骨、脛骨粗面、大腿骨を、大腿直筋の骨指標として下前腸骨棘を触察しました。
膝蓋骨は意外と小さいです。
一般に膝と呼ばれる突出部の2/3くらいの大きさです。
下前腸骨棘を股関節屈曲/伸展―中間位で触れるのは難しいかもしれません。
もし難しければ、股関節屈曲位(他動屈曲)にして上層にある軟部組織を弛めれば、容易に触察することができます。
大腿直筋の触察は、背臥位で膝裏を軽く(広筋群も働きますので)テーブルに押しつける動きか、膝を持ち上げる(広筋群を抑制できます)動きで働かせながら触察しました。
最後に中間広筋の触察を行いました。
筋腹の幅を大腿直筋と比較しながら行いました。
中間広筋と大腿直筋とでは、中間広筋のほうが幅広です。
ところが、多くの解剖学書で使われる中間広筋の図が、内側広筋の前外側縁と外側広筋の前内側縁によって両側縁を覆われたものであるため、大腿直筋のほうが幅広であると思われがちです。