2015年02月04日

単関節筋と多関節筋に関する考察

この1週間に3度、単関節筋と多関節筋に関するご質問をいただいた。
流行っているとか?(大腰筋、腹横筋、後脛骨筋などが、同業者の間で流行ったことはあったが・・・)
どこかの雑誌が特集でも組んだとか?


単関節筋と多関節筋は、神経回路が別個なのか?
そうではない。
1つの動作が為されるとき、同じ回路の中で、これらは協働するのだ。

これらの筋が協働できるように、つまりコーディネーション(co-ordination)を作り出すために働きかける、というのが、ボディワーカーの仕事(の1つ)なのか?
しかし、「作り出す」とは、おかしな言い草だ。
元来、協働するように出来ているはずなので、それを阻むものを取り除けばよい。


単関節筋は1つの関節を越えればよいので、深部を走行する。
多関節筋は複数の関節を越えなければならないので、浅部を走行する。

単関節筋は安定筋(あるいは、抗重力筋)の、多関節筋は動作筋の役割を担う。
単関節筋は赤筋/遅筋タイプで、多関節筋は白筋/速筋タイプだ。

赤筋/遅筋はニューロンサイズが小さく、神経衝撃に対する反応域値が低い(神経伝達が白筋/速筋よりも速い)。
白筋/速筋はニューロンサイズが大きく、神経衝撃に対する反応域値が高い(神経伝達が赤筋/遅筋よりも遅い)。

したがって、単関節筋(安定筋/抗重力筋、赤筋/遅筋)が先に働き、多関節筋(動作筋、白筋/速筋)がそれに続く。
問題がなければ、そのように協働する(これらの筋の働きに時間差があるのは、回路が別個だからではない、ということ)。


系統発生的に、単関節筋と多関節筋のどちらが先に現れたのか?
発生学を学ばなければ、本当のところは分からないが・・・
私たちはナメクジウオからヒトまでの進化の過程で、重力とどのような関係を持ってきたのか、と考えてみる。

魚が陸に上がったとき、あるいはワニのような腹這いの時代から、身体を持ち上げて四足になったとき、私たちはそれまでよりも、重力に抗して関節を固めなければならなかったのではないか?
四足から二足に直立したときには、どうか?

答えは、明らかではないか、と思うのだが・・・
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/113129074
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック