今回のテーマは「頭蓋操作(その3)」でした。
今回は前回に引き続き演習を行いました(背景となる理論については、前々回に講義しました)。
演習内容は、以下3テクニックの実践練習でした。
1.顎関節の調整テクニック
2.緊張性頭痛の解消テクニック
3.椎間関節の調整テクニック
1.顎関節の調整テクニック
顎関節症に対しても適用できるテクニックとしてお伝えしました。
側頭筋、咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋、顎舌骨筋を対象として行いました。
施術中、それら筋群を支持する膜連続体の張力変化を正確にモニターしなければならない(そうしないと良い結果を出せません)ことが、少し難しいかもしれません。
このテクニックは、単独で用いて十分に効果がありますが、前回の「頭蓋骨どうしの関係改善テクニック」の後に行うと、より高い効果を期待できます。



2.緊張性頭痛の解消テクニック
頸部に働きかけることで頭蓋をリリースし、緊張性頭痛を解消するテクニックです。
後頭下筋群、頸部伸筋群、頸部屈筋群、胸鎖乳突筋を対象として行いました。
膜連続体の変化をモニターすることは、1.のテクニックと同様です。
重力と各筋の作用(function)を利用したホールディングを行います。
ワーカーの(立ち)位置、姿勢、ホールディング、モニタリングが正確である必要があります。

3.椎間関節の調整テクニック
@ 胸椎、腰椎の調整テクニック
棘突起、横突起、肋骨突起、肋骨などをハンドルに用いて胸椎、腰椎を精確に調整していきます(胸椎、腰椎を頭蓋の延長部として扱います)。
椎骨どうしの位置関係、椎間のスペース、それらを取り巻く膜連続体の張力を変化させることで、胸椎、腰椎を調整します。

A 頸椎の調整テクニック
棘突起、関節突起、横突起の前結節、横突起の後結節をハンドルに用いて頸椎を精確に調整していきます(頸椎を含め、軸骨格全体を頭蓋の延長部として扱います)。
2.で行ったホールディングは腕全体(正確にいえば、もちろん全身)を用います(「関節技」のように見えるかもしれません(笑))が、この頸椎調整テクニックでは、手指を繊細に用いて行います。
椎骨を動かす範囲も数ミリ以内です。
素早く、面白いように、頸部にある疼痛が解消され、形状が見た目にも明らかに(もちろん身体構造も)変化するのですが、ワーカーの動きが外から見て分からないので、マジックのようです。
この頸椎調整テクニックを行った後は、軸骨格全体が大きな影響を受けるので、必ず腰椎や骨盤周囲でフォローワークをする必要があります。




