何を触察すると決めないで、参加者の方々(の身体の状態)に合わせて探っていく予定でしたので、「探索」としました。
最初は「手慣らし」ということで、参加者(オープンパス・メソッド

触察のデモンストレーションは不要と思ったので、各自の方法で行っていただきました。
どなたも、起始(脊柱)から停止(小転子)まで、全長を丁寧に触察されていました。
次は、腹部の硬い方が数名いらしたので、「扉を開ける」という触察&リリース・テクニックを行いました。腸骨稜に沿って外唇で外腹斜筋、中間線で内腹斜筋、内唇で腹横筋を捉えていくテクニックです。1枚ずつ腹筋を触察することで、腹壁全体の緊張が解消されていきます。
3番目の対象は、肝臓と胃でした。肝臓と胃の感触と動きを比較していただきました。横隔膜への影響で、呼吸が楽になる感覚を持った方もいらしたようです。
4番目は、小腸、腸間膜、腸間膜根を対象にしました。この触察テクニックで、どなたも腹部全体の緊張がかなり解消されたようです。
5番目は、大腰筋と腎臓との関係を手技で探りました。大腰筋と腎臓の連動を捉えることが少し難しかったようですが、最終的にはどなたも感得することができたようです。
最後に、腹腔内の臓器(筋肉も含めて)を触察する際の注意点をお伝えして終了しました。
腹腔に進入する際には、注意深く手技を使わなければなりません。
オープンパス式の触察では、指先の動きをできるだけ抑制しますが、対象が腹腔であればなおのことです。
浅部から深部まで細かく、各層と「対話」するような感覚で進入していきます。ただし、指先で対話するのではなく体重を使います。
そしてこのとき、決して寄りかからず、手技と腹部の接点を自身の支持基底面にしてしまわないように注意します。膝を折り、腰を落とし、自身を重くすることで「接点」を変えていくのです。
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