長谷川三千子 2001 民主主義とは何なのか 文春新書
本書では、民主主義(デモクラシー)に対して疑問を投げかけている。
「デモクラシー」という言葉は、ギリシャの民主政「デーモクラティア」から来ているが、それはその名の意味する通り、民衆(デーモス)が力(クラトス)によって支配権を得る体制のことである。
「民主」という言葉が初めて使われたギリシャの時代においても、再び強調されるようになったフランス革命時や現代においても、それは、「われとわれとが戦う病い」(著者)、つまり「コントロールを失った民衆が相争う病い」を正当化させるために拵え上げられた「理窟」にすぎず、どこまでもその病いを引きずり続けるためのイデオロギーである、と著者は主張する。
「民主主義」という言葉は、その正当性が自明のものとしてあり、誰もそれを疑おうとしないが、本書の読者は「民主主義」そのものを深く吟味し直す必要性を感じるであろう。
2013年03月01日
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