3月3日、第1期ソマティカルワーカー養成トレーニング第7回が開催されました。
今回の講義では、コーディネーション(co-ordination)能力の解説を行いました。
よく言われる「運動神経がいい」というのは、「持久力」や「筋力」が優れているというより、「身体を巧みに動かす能力」が優れていることを意味するでしょう。「コーディネーション能力」とは、この能力のことです。
「持久力」や「筋力」は、トレーニングを休めばすぐに低下してしまいますが、「コーディネーション能力」はそうではありません。この能力は、情報伝達系(神経系)に働きかけることで作られ、鍛えられるものなので、「脳−身体(筋肉)」の回路が覚えており、簡単には低下しません。
「コーディネーション能力」は7つの項目に分けられます。すなわち、「リズム能力」「バランス能力」「変換能力」「反応能力」「連結能力」「定位能力」「識別能力」の7つです。
それぞれ簡単に説明すると、
「リズム能力」:感覚した(目で見た、耳で聞いた)動き、イメージした動きを、身体で表現する能力
「バランス能力」:上手にバランスを保ち、たとえ転びそうになったり、よろけたりしても、体勢を立て直すことができる能力
「変換能力」:急に状況が変わっても、その変化した状況に合わせて動作を機敏に切り替えることができる能力
「反応能力」:1つまたは複数の情報(信号、合図、スタート音、指示の声)を素早く察知して、目的に合った正確な動作を行う能力
「連結能力」:身体各部の筋肉や関節を、力の加減やスピードを調節して、無駄なく動かす能力
「定位能力」:動くもの(飛んでいくボール、味方や相手の選手)と自分の動きとを関連づけて調節する能力
「識別能力」:道具(ボール、ラケット、ハンドルなど)の操作を精密に行う能力
となります。
講義では、以上の能力を高めるために利用できるソマティカルワーク・テクニックと、一般に使えるテクニックとを併せてお伝えしました。
実習では、参加者の皆さんにsoma(からだ)体験をしていただきました。
「ソマティクス」は、その研究者たちによって「一人称の科学」と呼ばれていますが、この呼称は事実の半分しか表していません。somaは「一人称」によって探求されますが、「無人称」によって経験されるからです。今回の実習は、somaを「無人称のからだ」と定義し直した上で行いました。
最初に、簡単なエクササイズによってsomaを体験していただきました。次に、その体験にもとづいて、コーディネート(co-ordinate)された動きの中で感覚していただきました。
soma体験の後は、自由課題の形でソマティカルワークの交換セッションを行いました。皆さん、かなり腕前を上げています。
2013年03月04日
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