触診は手で触れて行う診察だが、対象筋の位置を特定するには視診も有効な手段である。…対象筋の触診を試みるときは、まずよく見て、それから筋肉に触診手技を置いて触知する。
触診は常に行う。患者に触れているときは常に触診すべきである。これは、評価セッションにおいてだけでなく、治療セッションにおいても当てはまる。あまりに多くのセラピストが、セッションの中で触診と治療とを別のものとして完全に切り離して考えている。
より快適に触診圧を患者に適用できるテクニックがある。一般的に、患者に深く安定した呼吸をしてもらいながら患者の組織にゆっくり入ると、深く触診しても患者の快適さを保つことができる。
圧迫が強すぎて非効率になっていないかを確認する練習として、硬い面に親指の腹を5秒から10秒の間強く押しつけてみるとよい。その後すぐに、患者の身体部位を触診してみると、感度が失われていることが分かる。
手と思考が調和した触診を行うには、セラピストは、触診指から入る感覚刺激を解釈し、理解できるだけの時間の余裕を心に持つことが重要である。このためには、触診をゆっくりと行う必要がある。あまり速く動かしたり、患者の身体をあちこち触れ回ったりしていては、効果的で心の通う触診はできない。
西洋医学において最新鋭の診断評価設備が次々を開発される中、触診を行う手が依然としてボディワーカーの主要な評価ツールであるという点は特筆すべきだ。ボディワーカーにとってはむしろ、タッチを通じて情報を集める作業である触診こそが、評価の中核を担っているのである。注意深い触診によって、構造の正確な特定評価を行うことができるボディワーカーは、確実に実施できる効果的な治療プランを作成することができる。
原則として、患者に手を触れる前にまず、触診を行う領域を視覚的に調べることが最も望ましい。手を患者の身体に置いてしまうと、目で確認できたはずの情報が頭に入らなくなる。
患者の組織に触れると一口に言っても、組織に触れることができるのと、近傍のあらゆる組織から対象構造を見分けることができるのとでは全く異なる。セラピストがこれを行うためには、上部、下部、内側、外側あるいは表面や深部といった構造のあらゆる境目を特定できなければならない。
2013年04月05日
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