2013年11月25日

内臓操作ワンデイワークショップ(基礎編)

11月24日、内臓操作ワンデイワークショップ(基礎編)を開催しました。
14名のオープンパス・メソッド(R)・ボディワーカーと2名のオープンパス・トレーニー、全16名の方々がご参加くださいました。

最初に、本ワークショップを開催することになった経緯、本技法(内臓操作)がどう作られたのか、について話しました。

本技法が作られたのは、内臓疾患、また内臓の不調を訴えるクライアントの方々に応じるためでした(内臓疾患を訴える方に対する施術については、担当医の許可を頂きました)。
イーズポイントリリーステクニックを応用することから始まり、様々な工夫によって時間をかけて完成させました(ただし「完成」とは言っても、今後も発展させていくつもりでいます)。
内臓操作(マニピュレーション)のセミナー、ワークショップなどには一切参加したことがないため、参考とするものがなく、完成までに苦労しましたが、かなり使えるものになったと思っています。
今後、本ワークショップにご参加くださった方々が、本技法が使えるものか否か、各自のセッションで確認してくださるでしょう。

オープンパスで提供する技術のほとんどは、本技法と同様に小川、斎藤が臨床&研究の中から作り上げたものです。浅筋膜操作、深部筋膜操作、イーズポイントリリーステクニック、また姿勢分析法、触察法などがそうです。
浅筋膜操作と深部筋膜操作については、筋膜を操作するというので、小川と斎藤の両名がロルフ・メソッドの出身であるため、ロルフ・メソッドから借用した方法と勘違いされることが多いのですが、実はオープンパスのオリジナルです。

さて、本ワークショップ開催、および本技法完成の経緯について話した後は、参加者の方々に自己紹介をしていただきました。
参加者全員がオープンパス・メソッド出身ですが、期が異なるので、互いに初対面の方々もいらっしゃいました。けっこう楽しい時間で、笑いもありました。

カリキュラムの最初は、配布した白紙の用紙に、11の器官を描いていただくというものでした。
胃、十二指腸、小腸、大腸、大動脈、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、膀胱の11器官です。
描いたものを見せていただいたのですが、全員ほぼ正しく描いていることに驚きました。

描いていただいた後、確認のために配布した資料(『プロメテウス』より)
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確認のための資料を配布した後、器官の位置関係を立体的に理解していただくために、それらが前方から後方へ3層に分けて描かれた図(『プロメテウス』より)を配布しました。
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その後は最初の実習で、肝臓と胃の触察を行いました。
触察手順、コツなどをデモンストレーションでお見せした後、実習に移りました。
肝臓は横隔膜に付着し、固定されているため、呼吸に同期して動きます。吸気で下がる動きを手がかりに触察していただきました。
胃は肝臓より自由であるため、また中空の臓器でもあり、触察はもう少し難しくなります。

最初の実習の後、肝臓や胃を含めた腹部臓器群と腹膜との関係を解説しました。
臓器を腹膜内器官、一次性腹膜外器官、二次性腹膜外器官の3種類に分けながらの解説でした。
3種類のうち腹膜内器官は間膜で「吊るされている(しっかりとは固定されていない)」状態なので、モビリティ(可動性)が高い器官です(肝臓は腹膜内器官なのですが、横隔膜に固定されているため、例外です)。

次に、横行結腸、小腸を触察実習しました。
横行結腸を肝臓と胃の直下で触察しました。
小腸については、腹直筋の触察、腰椎前側面の触察、その中間領域の触察、を繰り返していただき、小腸領域(中間領域)を把握していただきました。

この辺りから時間が押してしまい、行う予定だった膀胱、上行項結腸、下行結腸、腎臓の触察実習を行えませんでした。いずれ本内容も含め、改めて応用編(インテグレーティブワーカー養成トレーニングのカリキュラムの中で行う予定です)の中で行いたいと思います。

その次には、腹膜と臓器の関係を板書によって解説しました。発生学的な説明も加えました。(これも『プロメテウス』で学んだ内容です)
naizou-3.jpg

最後に3つの操作実習を行いました。
@大網とその下層の器官との癒着を解消するテクニック、A腸間膜のストレッチ、B各臓器の操作、の3テクニックの実習です。

大網は胃の大湾から垂れ下がり、横行結腸の前面を(付着しながら)覆っているエプロン状の腹膜です。この大網はしばしば下層の器官(主に小腸の臓側腹膜)との間に癒着を起こします。
@はこの癒着を「ワイパー手技」によって解消するテクニックです。腹壁筋群と内臓との間で手技操作を維持することが最初は難しいと思います。
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Aでは、@でよりも深く(腹膜後壁まで)手指を差し入れて、腸間膜根に働きかける必要があります。このテクニックでもワイパー手技を使います。
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Bは、痛み・違和感のある臓器を見つけて働きかけます。本来はモビリティとモティリティ(各臓器固有の動き、自動力)を細かく確認しながら行うテックニックですが、この基礎編ではそれはなしで、簡易法で行いました。
このテクニックの全プロセスの中で、「患部(問題個所)」の環境を整えるために行うホールディング(支持テクニック)が難しかったようです。
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