3月7日、よみうりカルチャー恵比寿「ボディワーク入門/ロルフ・メソッドに学ぶ」講座が開催されました。
今回のテーマは「触察力の向上のために/クレニオセイクラルセラピーの体験を通して」でした。
私たちの身体には「生命」の証拠とも言える、様々なリズムがあります。その中でも肺呼吸、脳呼吸、脈動(循環器系のリズム)という3つのリズムが触知しやすいでしょう。
今回の講座は、そのうちの脳呼吸について説明し、それに働きかける技法であるクレニオセイクラルセラピーの体験(その手技を使う体験、受ける体験)を通して触察力の向上を図るという内容でした。
身体の動きを表わす言葉として、モビリティ(mobility)とモティリティ(motility)があります。簡単に言うと、前者は運動の可動性を、後者は自動性を表わす言葉です。
前者は、膝関節がどのくらい動くか、どう動くか、また胃はどのくらい移動するか、というように「動く範囲」を表わすものです。
それに対して後者は、ある組織、器官などが個別に持つ「独自の動き」です。例えば肝臓が斜め前に「お辞儀」をするように自ら運動するとか。
このモティリティは、器官系、器官、組織、細胞という各レベルにおいても独自のもので、今回の実習で用いたクレニオセイクラルセラピーは通常は器官、器官系のリズムを捉えて行うものです。
触察法には触覚を用いる方法と固有覚を用いる方法とがありますが、今回は触覚を「向かう感覚」、固有覚を「迎える感覚」として説明しました。
その意味は、触覚(手指による)が手指を積極的に動かして、つまりこちらから探しに向かうことで感覚し、固有覚が手指にかかる圧を手指や肘、肩、場合によっては脊柱や骨盤、下腿など(の関節)に迎え入れることによって感覚するものだからです。
オープンパス・メソッド(R)のパルペーション・トレーニングでは、この固有覚を主に用いた触察法をお伝えしていますが、今回の講座も同じ方向性で進めました。
今回はクレニオセイクラルセラピーを初めて体験したという方が多かったのですが、短い時間の中で、皆さん、確実に脳呼吸のリズムを捉えていました。
最後に「セルフ・クレニオ」も可能なことをお伝えしました。
身体のリズムを捉えることで、私たちは生物としての、あるいは生命としての自分に出会えます。
私たちはそうした自分になかなか出会えません。例えば鏡を見てもそこに映るのは「社会的な自分」だったり、食事を摂るときでさえそうだったりします。
2014年03月09日
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