2015年09月08日

第10期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第5回

9月6日、第10期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第5回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。
今回の触察対象筋は、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋、横隔膜、腰方形筋、大腰筋、腸骨筋、中臀筋の8筋でした。


外腹斜筋は、前鋸筋の筋尖、広背筋の外縁部と噛み合うように起始(第5〜12肋骨の外面)しています。
今回は特に、前鋸筋と噛み合う部分を丁寧に触察しました。
停止部は、腸骨稜、鼠径靭帯、腹直筋鞘です。
鼠径靭帯に付着する部位は腱膜になっているので、その手前の筋腱移行部も丁寧に触察しました。
また復習として(前回、広背筋の触察時に確認しました)、腰三角部の触察を行いました。
ちなみに腰三角部(三角に穿たれています)では、内腹斜筋を(その上層に他筋を経ずに)触察できます。

内腹斜筋の触察は、起始部である鼠径靭帯、腸骨稜、胸腰筋膜から触察し、第11、12肋骨、腹直筋鞘へと辿りました。
胸腰筋膜の触察では、それと脊柱起立筋群との関係を確認しました。

外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋を続けて触察した後は、ウエスト辺りの同じ箇所で3筋を鑑別しました。
同じ箇所で触察しても、層が違うので、明らかに鑑別できます。

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横隔膜については、臓器を介して行う方法と、直接に行う方法の2通りで触察しました。
肝臓などは横隔膜に付着(密着)しているので、横隔膜に同期したその動き(直線的に下がるのではなく、少し回転が入ります)は興味深いです。
直接には、横隔膜の前方を臓器との間隙で、また後方を腰椎の付着部付近で触察しました。

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腰方形筋の触察は、骨指標として腸骨稜、第12肋骨、腰椎肋骨突起(第3、4腰椎)を確認した後、周囲の筋群(特に脊柱起立筋群)から鑑別しながら行いました。
横臥位になると、体幹が天井側に側屈することもあり、第12肋骨と腸骨稜との間がかなり狭い(1横指ほど)ので、受講生の方々はそのことに驚いていたようです。

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大腰筋と腸骨筋は、1つの筋(腸腰筋)として触察しました。
最初に注意対象として腹大動脈、大腿動脈などを、また指標として腰椎、腸骨稜、鼠径靭帯、大腿骨頭、小転子などを触察しました。
腸骨筋触察の手順としては、腰椎付着部を頭方に辿り、横隔膜に触れたところで向きを変えて外縁を下り、腸骨筋との境界(合している部位)を確認し、腸骨筋に触れた後、内縁(仙骨前)を通り、その後、鼠径靭帯の下方から大腿骨頭をかすめて、長内転筋の下層に潜る部位で止めて、最後に長内転筋と薄筋の間から手指を差し入れ、停止部である大腿骨小転子で触察します。

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中臀筋の触察は、最初にセルフで行いました。
歩行時、片足立位時、中臀筋がどのように働くか確認しました。
その後、ペアになり、全体として、次に、前部と後部に分けて触察しました。

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2015年08月30日

第10期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第4回

8月30日、第10期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第4回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。

今回の触察対象は、僧帽筋、小菱形筋、大菱形筋、広背筋、大円筋、腹直筋の6筋に加えて、骨盤帯周囲の骨指標+αでした。


僧帽筋の触察は、被触察者座位および腹臥位で行いました。
骨指標として、外後頭隆起、後頭骨上項線、鎖骨、肩鎖関節、肩峰角、肩峰内側、肩甲棘、棘三角などを確認し、下行部、横行部、上行部の順に触察しました。
各部間の境界は、触察者がムーブメント誘導を正確に行うことで、容易に鑑別できます。
上行部が広背筋と重なる部位の触察が少し難しかったようです。

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小菱形筋、大菱形筋の触察は、上層にある僧帽筋を相反抑制した(肩甲骨を下方回旋位にした)上で行いました。
骨指標として、棘三角、肩甲骨内縁、肩甲骨下角などを確認しました。
両筋を正確に触察するためには、ホールディング(被触察者の腕部をどうホールドするか)とムーブメント誘導に多少のコツが必要です。

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広背筋の触察は、被触察者腹臥位および背臥位で行いました。
起始部である椎骨部、仙骨部、腸骨部、肋骨部、肩甲骨部の5部と、停止部である上腕骨小結節稜を加えた全6部を順に辿りながら、全体を触察しました。
筋腹が腱膜に移行する部位(個人差があります)、腰三角、外腹斜筋と噛み合う鋸状部位なども正確に捉えました。

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大円筋の触察も、広背筋と同様に被触察者腹臥位、背臥位で行いました。
広背筋と同様に、起始部が身体背面、停止部が前面にあるためです。
広背筋が大円筋の背後から前方へ回り込むように、密着しながら走行していますが、両筋を鑑別するのは、難しくはありません(停止部のかなり手前から合している場合もありますが)。
上腕の位置(肢位)が変わると、両筋の位置関係も変わるのですが、そのことに少し混乱されたでしょうか。

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腹直筋の起始部は恥骨結合、恥骨結節、停止部は剣状突起、第5〜7肋軟骨です。
起始部である恥骨結合、恥骨結節の触察では、パンティ・ワークをお伝えしました。
停止部は、個々の胸郭の形状によって(肋軟骨に付着しているので)、かなり個人差があります。

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骨盤周囲の骨指標+αの触察は、後面、前面に分けて行いました。
後面では、上後腸骨棘、下後腸骨棘、大坐骨切痕、坐骨棘、坐骨結節、閉鎖孔、坐骨神経、仙骨外側縁、第4・5腰椎棘突起、第5腰椎棘突起、正中仙骨稜、第3・4後仙骨孔などを触察しました。

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前面では、上前腸骨棘、鼠径靭帯、恥骨結節、大腿筋膜張筋起始部、縫工筋起始部、腸腰筋、大腿神経、大腿動脈、恥骨筋起始部、下前腸骨棘、大腿骨頭などを触察しました。

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2015年08月17日

第10期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第3回

8月16日、第10期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第3回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。

今回の触察対象筋は、上腕二頭筋、烏口腕筋、上腕筋、上腕三頭筋、肘筋、胸鎖乳突筋、肩甲挙筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋の10筋でした。
また今回は、触察実習を始める前に、関節の動きに関する説明を行いました。


【お知らせ】

オープンパス認定パルペーション(触察)・トレーニング体験受講者を募集いたします。
日時: 8月30日(日)10:00〜17:00(昼休憩1時間)
講師: 小川隆之 斎藤瑞穂
対象筋(予定): 僧帽筋、小菱形筋、大菱形筋、広背筋、大円筋、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋、横隔膜
参加費: 10000円/6時間(単発特別料金)
* 体験受講は2回まで可能です。

ご参加ご希望の方は、お手数ですが、
(1)お名前
(2)当日の連絡先(携帯番号または携帯メール)
(3)ご職業
(4)ご住所(参加票を送らせていただきます)
(5)ご質問、コメントなど(もしあれば)

上記をご記入の上で、openpath@hotmail.com にお申し込みください。
皆様のご参加をお待ちしております。

僧帽筋の触察(動画)

2015年08月11日

第10期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第2回

8月9日、第10期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第2回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。

今回の触察対象筋は、前鋸筋、肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の5筋でした。
また今回は、触察を始める前に、上記筋群の付着部がある骨など、関連する骨格系に関する説明を簡単に行いました(注)

(注)説明のうち、胸椎に対する肋骨の関節の仕方に、かなり興味を持っていただけたようです。
この関節の仕方が、胸郭に動きの自由度をもたらしています。

今回の対象筋の中では、肩甲下筋の触察がもっとも難しかったようです。
予想では、前鋸筋上部(起始:第1、2肋骨側面/停止:肩甲骨上角)が難しいのではないかと思っていたのですが。

前鋸筋の触察(鎖骨の上側から)
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肩甲下筋の触察
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肩甲下筋の触察(動画)




【お知らせ】

オープンパス認定パルペーション(触察)・トレーニング体験受講者を募集いたします。
日時: 8月16日(日)10:00〜17:00(昼休憩1時間)(第10期、第3回)
講師: 小川隆之、斎藤瑞穂
対象筋(予定): 上腕二頭筋、烏口腕筋、上腕筋、上腕三頭筋、肘筋、胸鎖乳突筋、肩甲挙筋、僧帽筋
参加費: 10000円/6時間(特別料金)
* 体験受講は2回まで可能です。

ご参加ご希望の方は、お手数ですが、
(1)お名前
(2)当日の連絡先(携帯番号または携帯メール)
(3)ご職業
(4)ご住所(参加票を送らせていただきます)
(5)ご質問、コメントなど(もしあれば)

上記をご記入の上で、openpath@hotmail.com にお申し込みください。
皆様のご参加をお待ちしております。

2015年08月02日

第10期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第1回

8月2日、第10期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第1回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。


本パルペーション・トレーニング開催に先立ち、オープンパス代表として斎藤と小川は、今期がオープンパス認定トレーニングの節目になるだろうと思っていました。

というのも、今期トレーニングの進行と平行してパルペーション講師(注1)を養成する予定でしたし、組織運営の安定化、業務の発展を図るために、様々な専門職の方々に顧問をお願いし始めていました。

(注1)オープンパス認定パルペーション・トレーニングの講師。

また、「オープンパス認定パルペーション・トレーニング」というタイトルを「オープンパス認定触察解剖学連続セミナー」と変え、参加条件を変更することも考え始めていました。

なおかつ、今期パルペーション・トレーニング開始以前に、第1期オープンパス認定インテグレーティブワーカー養成トレーニング(注2)を開催することができ、オープンパス認定トレーニングの全体を紹介することできたということも大きかったと思います。

(注2)オープンパス認定トレーニングには、パルペーション、ファシャワーカー養成、ソマティカルワーカー養成、インテグレーティブワーカー養成の4種類があります(現時点)。
インテグレーティブワーカー・トレーニングは最上級の内容です。

ところが、本格的に本トレーニングの募集を開始する予定だった時期に、斎藤家、小川家に続け様に不幸があり(斎藤の母親が亡くなり、小川の母親が亡くなり)、法事などが重なって、説明会やデモンストレーションなどが行えませんでした(説明会、デモを行えなかったことは、今期が初めてでした)。
そのため、常より少ない参加人数でのスタートとなったのですが、そうは言っても、やはり今期は特別な期となりそうです。

蓋を開けると、参加者の方々は、熱心な再受講者であったり、オープンパス創設の頃に関わってくださった方であったり、「オープンパス・ファミリー」と言えるようなメンバーでした!


今回は、オリエンテーションの後、触察を学ぶための準備として関節感覚の説明(ボディスキーマと関連付けて)と実習から始めました。
その後は、大胸筋、小胸筋、三角筋の触察実習を行いました。


* 今期パルペーション・トレーニングからは、体験受講が可能です。
こちらをご確認ください。

2015年03月08日

第9期オープンパス認定パルペーション・トレーニング進級試験

3月7日、第9期オープンパス認定パルペーション・トレーニング進級試験が実施されました。
進級というのは、「ファシャワーカー養成トレーニング、及びソマティカルワーカー養成トレーニングへの」ということです。
パルペーション・トレーニングで学習した実践的知識(触察解剖学)は、オープンパス・ボディワークを実践する際に必須です。
この実践的知識があるからこそ、私たちは、明らかな変化を起こすことができるのです。

ちなみに、「明らかな」というのは、「誰の目から見ても」ということです。

オープンパス・ボディワーカーは、変化を起こすプロですので、変化の程度をかなり正確にコントロールできます。
例えば、「少しずつ」の変化も可能です。
私自身としては、最低限、「明らかな」と言えるくらいの変化を演出したほうがよいと思っています。

これから、試験の採点を行います。
得点が80パーセントに満たない受験生には、補講を受けていただくか、再受験を考えていただきます。
いずれにしても、ファシャワーカー、またソマティカルワーカー認定資格取得の際には、かなりの実践的知識を獲得していることでしょう。

2015年02月27日

第9期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第30回(最終回)

2月27日、第9期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第30回(講師:小川隆之、斎藤瑞穂)が開催されました。
今回は最終回ということで、触察実習した全135筋のうち、受講生の皆さんの希望で、以下の21筋について復習しました。
すなわち、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋、長内転筋、恥骨筋、短内転筋、薄筋、大内転筋、腰方形筋、梨状筋、大腿方形筋、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋、母趾内転筋の21筋です。
確実に触察できる筋もあれば、そうでない筋もありました。
受験される皆さんは、試験まであと9日なので、8割以上(8割得点で、進級試験合格)の筋を触察できるように準備を怠りなく!

実習風景、指導する斎藤講師。
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ノート、よくまとめてあります!
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2015年02月06日

第9期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第29回

2月5日、第9期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第29回が開催されました。
今回は、咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋、前頭筋、後頭筋、眼輪筋、皺眉筋、上眼瞼挙筋、鼻根筋、鼻筋、鼻中隔下制筋、上唇鼻翼筋、上唇挙筋、小頬骨筋、大頬骨筋、口角挙筋、笑筋、頬筋、口角下制筋、下唇下制筋、オトガイ筋、口輪筋の22筋を触察実習しました。
今回で、135筋の触察を行い、全カリキュラムを終了しました。
次回は、135筋の触察のうち、特に難しかったものを復習し、進級試験(9期生の皆さんは、全員がファシャワーカー養成トレーニングへ進級希望です)に備えます。

今回は、22筋の中で、内側翼突筋と外側翼突筋の触察について、特に詳しくお伝えしました。
両筋の起始部である蝶形骨については、時間をかけてその様々な部分を触察しました。

外側翼突筋上頭の起始部である蝶形骨大翼外側面下部
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外側翼突筋下頭の起始部である翼状突起外側板外側面
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内側翼突筋の起始部である翼状突起外側板内側面
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途中、時間に余裕があったので、触察の授業のはずですが、施術の方法もお伝えしました。
蝶形骨の操作と、それによって顔面構造を変化させる方法、骨盤や踵骨の位置を変化させることが可能なことなどを説明しました。
続きは、インテグレーティブワーカー養成トレーニングで話します。(笑)

2015年02月01日

第9期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第28回

1月29日、第9期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第28回が開催されました。
今回は、頭板状筋、頭半棘筋、広頸筋、顎二腹筋、顎舌骨筋、胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋、側頭筋の8筋を触察実習しました(今回で、113筋の触察を行ったことになります)。

今回は触察実習の他に、ホールディングの仕方についてお伝えしました。
例えば、ホールディングが安定していないと、被触察者は安心して身体をあずけることができず、どうしても余計な力が入ってしまいます。
そうなると、目標部位に手指が届かなかったり、隣接し合う器官を鑑別できなかったりします。


【頭板状筋】
起始:項靭帯下半、第4頸椎〜第3・4胸椎
停止:上項線外側1/3、側頭骨乳様突起(胸鎖乳突筋の下層)

【頭半棘筋】
起始:第4〜6頸椎関節突起、第7頸椎横突起尖端部、第1〜6・7胸椎横突起尖端部
停止:後頭骨(上項線と下項線の間)

頭板状筋と頭半棘筋の図ですが、両図に描かれた肩甲骨は共に下制しすぎています。
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頭板状筋と頭半棘筋については、僧帽筋も加えた層構造(それらの関係性)について説明しました。
もっとも表層にある僧帽筋については、問題なく他の2筋と鑑別できます。
頭板状筋と頭半棘筋の場合には、これら2筋の作用の違いを利用して鑑別する必要があります。
特に伸展と回旋において違いがあるので、それを利用して行います。
違いは以下のとおりです。
伸展において:頭板状筋は頭頸部を、頭半棘筋は頭部を伸展させます。
回旋において:頭板状筋は同側に、頭半棘筋は反対側に回旋させます。

頭板状筋を触察しています。
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頭半棘筋を触察しています。
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【広頸筋】
起始:大胸筋・三角筋前部筋膜
停止:下顎骨下縁、顔面下部の皮膚

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頸部筋群の中では、この広頸筋だけが皮筋です。
またこの筋には、大きさ、形状にかなりの個人差があります。
口角を後方、下方に引いて、口を「へ」の字に曲げると、側方に大きく張り出します。


【顎二腹筋】
起始:前腹;二腹筋窩(下顎骨下縁内側の圧痕)/後腹;側頭骨乳突切痕
停止:中間腱として舌骨小角付近の線維性滑車によって支持される

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舌骨小角に触れようとすると、それを覆うように線維組織があります。
弾性軟骨のような触感ですが、それが顎二腹筋の停止部である線維性滑車です。

線維性滑車から二腹筋窩に向かうのが前腹、乳様突起の深層(乳突切痕)に向かうのが後腹です。
触察すると、前腹にはかなり個人差があります。
左右の前腹の作る角度やそれぞれの形状に、しばしば違いが感じられます。


【顎舌骨筋】
起始:下顎骨(オトガイ結合〜顎舌骨筋線全長)
停止:舌骨体、オトガイ結合から舌骨に延びる線維縫線

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顎舌骨筋は、顎二腹筋のすぐ下層にある薄い板状の筋です。
筋線維は、オトガイ結合から舌骨体をつなぐ線維縫線に向かって走行します。


【胸骨舌骨筋】
起始:鎖骨内側端後面
停止:舌骨体下縁

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胸骨舌骨筋は、甲状軟骨に沿って、そのすぐ外側を走行します。
胸鎖乳突筋の深層、鎖骨内側端後面に起始し、舌骨に向かいます。


【肩甲舌骨筋】
起始:肩甲骨上縁、上肩甲横靭帯(肩甲切痕を横切る)
停止:下腹→鎖骨に線維を付着→中間腱→上腹(胸骨舌骨筋外側縁と接する)→舌骨体下縁外側部

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肩甲舌骨筋は、起始部の触察が少し難しかったかもしれません。
鎖骨の頭側(僧帽筋下行部内側)から肩甲骨上縁(上角外側)に手指を差し入れれば、触れることが可能です。


【側頭筋】
起始:側頭窩、側頭筋膜内面
停止:下顎骨筋突起尖端、下顎枝前縁

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側頭筋は、側頭窩(起始)という窪みに嵌るように付着しているので、その外縁を正確に辿ることが可能です。
停止部である筋突起は、大きく開口すればその先端を確認することが可能です。

2015年01月23日

第9期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第27回

1月22日、第9期オープンパス認定パルペーション・トレーニング第27回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。

今回は、前回にデモンストレーションを行った後頭下筋群(小後頭直筋、大後頭直筋、下頭斜筋、上頭斜筋)の触察実習と、パルペーション模擬テストを行いました。


後頭下筋群の実習では、講師のリードでエア・パルペーションを行った後、実習に入りました。
エア・パルペーションでは、イメージ展開を速めることで、かなりの時間短縮ができます。
受験前の予習法としては、最適だと思います。
受講生の方々にはお勧めの方法です。

【小後頭直筋】
起始:環椎後結節
停止:後頭骨下項線内側部、下項線と大後頭孔の間

【大後頭直筋】
起始:軸椎棘突起
停止:後頭骨下項線外側部とその下方

【下頭斜筋】
起始:軸椎棘突起
停止:環椎横突起下後部

【上頭斜筋】
起始:環椎横突起上面
停止:後頭骨上項線と下項線の間(頭半棘筋の外側)

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後頭下筋群は、環椎後頭関節、環軸関節の動きを制御します。
後頭下筋群の上層には、多数の筋群が走行するので、触察を行うには工夫が必要です。

小後頭直筋、大後頭直筋とも、働きは環椎後頭関節の伸展および同側回旋ですが、両筋とも、視線を上に向けるだけで働きます。
下頭斜筋の主な働きは、環軸関節の同側回旋ですが、視線を同側の横方向へ向けるだけで働きます。
上頭斜筋の働きは、環椎後頭関節の伸展、同側側屈、反対側回旋ですが、反対側の上方を見上げるように視線を動かす(電線に止まったスズメを見上げる感じ)だけで働きます。
後頭下筋の触察を行うには、頸部は軽く伸展させた状態で、視線の動きを指示すると、上層を走行する筋群との鑑別が容易になります。

後頭下筋群のうち、小後頭直筋と大頭直筋は硬膜に付着しています。
ですから、これら2筋にファシャワークを行うことで、脊柱や仙骨、骨盤、下肢に対して大きな影響を及ぼすことができます。

また後頭下筋群に対して疼痛解消テクニックを用いることで、後頭部の痛みや肩コリ、目の疲れ、耳鳴りなどを解消することも可能です。

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さて、パルペーション模擬テストでは、以下の筋群をテストしました。
前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、最長筋、腸肋筋、棘筋、大腰筋、腸骨筋、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋、大内転筋、長内転筋、恥骨筋、薄筋、短内転筋、梨状筋、大腿方形筋、内閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、膝窩筋、後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋、僧帽筋、長掌筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、棘上筋、棘下筋。
・・・本番まで、もうひと頑張りが必要かもしれません。