一昨年の10月末に脳出血で倒れて左半身に麻痺を被りましたが、今では麻痺も消え、ボディワークの仕事に復帰し、以前と同様に個人セッション、セミナーなどに携わっております。
ここまで復活できたのには、もちろんリハビリを頑張ったことが大きいと思いますが、斎藤瑞穂氏による筋膜リリース・セッションによる効果がかなり効いています。
そこで、その効果的な筋膜リリースの実際を、この技術に興味をお持ちの多くの方々に知っていただこうと、オープンパス公式YouTubeチャンネルに斎藤氏の筋膜リリース・ダイジェスト版の動画を公開しました。
今回、斎藤氏がXにてその動画の簡単な解説を公開してくれましたので、それをこちらで紹介いたします。
動画→ https://youtu.be/vR2tWBQpddU
以下、斎藤瑞穂氏による、私(小川)の脳出血後遺症に対する筋膜リリース・セッションの解説です。
【セッション@解説】
ちょっと長くなりますが、全3回のセッションのうち、第一回目の解説を簡単に。
〈0'59"〉 体幹を締め付けている原因と、それに関連する筋肉を探し当てています。
この後で、体幹の緊張と関連する膜の調整をしばらく続けています。
〈2'7"〉 胸郭の緊張とそけい靱帯の緊張が関連していることを確認。痛い部位だけ見ていてはいけない、ということがわかります。
〈3'14"〉 触察でリリースすべき筋肉を割り出し、左右差を確認しました。
左側の筋膜が硬くなり動きも良くないことがわかります。
筋膜が柔らかくなると、痛みが出てきましたが必ずしも悪いことではなさそうです。
〈4'47"〉 誘導しながらくちびるの動き方の練習をしています。
〈6' 19"〉 上唇尾翼挙筋の誘導。誰にでもわかるような言葉やイメージを使って。
〈7'37"〉 痛みが出る=感覚が戻る、ということのようです。
〈8'19"〉 ドラキュラ筋=口角挙筋
オープンパスメソッドってロルフィングみたいなものですか?と質問されますが、わたしが学んだロルフィングはロングストロークで、なおかつ筋膜は「表層筋膜/深層筋膜」に分けられていました。
「重力の中で楽な姿勢」がアイダ・ロルフが目指したゴールです。
オープンパスメソッドは、クライアントさんごとに異なるゴールがあると考えます。
触察をベースにした解剖学を元とし、筋膜の張力を変えることで問題解決を試みます。
なので
原因となる主要筋の特定
膜の層の特定(浅層、深層のみでなく、両方が原因となることもあります)
筋膜の張力を変える、拘縮や癒着の改善、動きの誘導(ソマティクス)がテクニックの中心となります
そして最初のカウンセリング(インテーク)を重視します(これがとても大事)。
【セッションA解説】
今回は少し詳しめに全3回のセッションのうち第2回目の解説。
こんなに細かくセッションするんだ!というのをわかっていただければ

〈11'37"〉 体制を整える
〈11'50"〉 悪さをしている対象筋は前回と同じく大胸筋かと思うが実は前鋸筋かな?クライアントさんとの感覚共有
〈12:46〉 変化後の体勢を基準に、改めて姿勢分析、見つけた対象筋をリリース
〈13'17"〉 圧痛点が浮上
〈13'59"〉 張力の調整
〈14'11"〉 圧痛点が再び浮上
〈14"40〉 悪さをしている対象筋が見つかりました(今回のラスボス!)
〈14'51”〉 痛かった腸骨付近の部位の痛みは消えました
〈15'37"〉 クライアントとワーカーは、からだの変化を確実に共有しています
-中略-
〈22"49'〉 口腔のリリースに移行、まずは動きを遮る部位のリリース
〈23"06'〉 痛みが出た部位をリリース
〈23"49'〉 唇の動きが悪いのに目の周りに影響大とは!
〈25"44〉 舌の動きを促す働きかけが以降続きます
〈26"20〉 健常側のほうが痛みが強いらしい。だからさ、やっぱり痛いとか悪いとか、そういうところに固執しちゃダメってことなんだと思うのです
〈29"19'〉 頭板状筋、頭半棘筋、当然です
〈30"13〉 広頚筋の必要部位のみ
クライアントさん、こうして、本当に丁寧にリリースをしていることをご理解いただければ…
受講生さん、少しでも参考になれば…
ワーカーとしては当たり前のことだし、こんなことを言葉にするのはみっともないと思って言いませんでしたが、セッションを承らせていただいている時間は最初から最後まで、こうして(時におしゃべりしていても)改善を目指して真剣にかかわっています


以上です。