2026年05月19日

触察ファーストステップセミナー 夏期コース、スタートします。(7/25〜)


触察は、
すべての施術技術の土台です。

「触れているつもり」と、
「本当に触れている」は違う。

触察ファーストステップセミナーでは、

・筋肉の触り分け
・筋肉の動き方
・筋肉と姿勢の関連

を、座学ではなく実習中心で学びます。

さらに、

“触察する”だけでなく、
講師から「正確に触られる体験」も重視。

少人数制なので、
すぐ質問でき、
細かくチェックを受けられます。

7/25〜11/14
第2・4土曜/全8回
西新宿開催

初心者歓迎。


触察ファーストステップセミナー開催決定!



2026年02月14日

OPENPATH 個々に切り開く「小路」

「ボディワークについて語り合おう」「ボディワークの枠組みを作っていこう」そういう動きが、かつて日本にもありました。
私の記憶では、そういう動きが2回ほどあったかと思います。
2回とも声をかけていただきましたが、2回とも私たちは不参加でした。
その当時は、外国では流行っているらしいけど、多くの人にとって、どんなものかもわからない「ボディワーク」でした。
そんな中での動きでしたので、ありがたいとは思いましたが。

ボディワークを云々するよりも、個々にボディワークをしよう!
枠組みなんかは後から自然とついてくる。
個々に熟練し、その上で個々の思いや考えや技術をぶつけ合おう。
そんなふうに考えた記憶があります。

「オープンパス(注)」の名は、シン・インテグレーションの創始者マーク・カフェル博士が参加したアリカ研究所主催のワークショップのタイトルからいただきました。
日本語に訳すと「開いた路」でしょうか。
「パス path」が「ウェイ way」でないのは、それが皆で一緒に通る「大道」ではないからです。
それは、個々に切り開く「小路」だから。
その「路」が進んだところで合流するのならオーケー。
足並みそろえて一緒に行きましょうというのは、私はちょっと遠慮したい。
「いつかどこかであなたと合流できる」と考えると、それは楽しみです。
「開いた路」なので、それこそ大きく開いて、いつか「ボディワーク」の範囲を越えていってしまうかも。
そういう予感も少しあります。

(注)ロルファー斎藤瑞穂とシン・インテグレーション・プラクティショナー小川隆之のボディワーカー・ユニット。



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【おススメの触察セミナー】
☆☆☆ 参加者募集中!☆☆☆
触察ベーシック2(90筋+α)セミナー



お節介の天才

よっぽどの危険や、迷惑が自分にかかるのでないかぎり、ひとのやることは放置して見ているにかぎります。
それが言わば、そのひとを信頼するということでもあります。

そのひとの経験すべきことを経験してもらうことは、その人の今後の人生に役立つはずです。

お節介オバサンやオジサンは、「あなたのためを思って」という「必殺ワザ」を携えて、カルト宗教の勧誘でもするように、あなたに近づいてきます。
それにはマジ気をつけたいですね。
必要な経験を奪われないように。

「親切の押し売り」と言いますが、これは組み合わせの矛盾が際立った良い言葉です。
「親切」と「押し売り」を実際的にセットで持ち込むなんて、ほんとにお節介の天才か、「親切教」の教団員です。



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2026年02月07日

変化のタイプ:「接ぎ木」と「根こそぎ」

【変化には2タイプある】
問題を解決するためには、現状に働きかけて、何らかの変化を起こさなければなりませんが、その変化には2つのタイプがあります。
それらは「1次変化」「2次変化」と言われます。

「1次変化」はシステム内の変化、「2次変化」はシステム自体の変化のことです。
そして、「1次変化」はシステム内での変化なので、システム自体は維持されることになります。
「2次変化」はシステム自体を変化させるので、システムにとっては破壊的な変化となります。

【家族療法からの学び】
私はこのことを、心理療法の1方法である家族療法の勉強をしていたときに学びました。
子供が心理症状を発症するとき、通常の心理療法では、もちろんその子供が「患者」であり「治療対象者」です。
その子供の症状を解消するために心理面接を行います。
ところが家族療法では、その子供を「犠牲者」あるいは「救済者」として扱います。
何の「犠牲者」「救済者」かというと、家族のです。
家族の関係に問題があり、子供はその家族を守るために心理症状を発症するというわけです。

先ほどの変化の話に当てはめると、子供の症状を解消することは「1次変化」を狙うことになります。
「1次変化」を狙うと、たいがいの場合には、治療が難しいか、治っても再発します。
あるいは、子供に兄弟があれば、その兄弟が症状を発症したりします。
これを「症状の受け継ぎ」と言います。
そして、それによって家族というシステムは、「これまでどおり」に維持されます。

それに対し、その子供を「犠牲者」「救済者」として扱い、家族を治療対象とするのなら、それは「2次変化」を狙っていることになります。
その場合、家族の関係性を変化させることが目的です。

【ボディワークにおける「1次変化」と「2次変化」】
ボディワーカーになって、この変化の考え方が非常に参考になりました。
例えば、クライアントさんが膝の痛み訴えているときに、単にその痛みのみを取り去るような技術を使ってしまわないでしょうか?
それは「1次変化」を起こすことになります。
痛みには、背景となる構造があります。
「痛み構造」とか「歪み構造」と言えばよいでしょうか。
その構造に関わらずに痛みのみを取ってしまうと、その痛みが再発したり、他の部位に痛みが転移したりする可能性が高いです。
これって、高い手技力を持った人ほど、やりがちではないでしょうか。
そして、「痛み構造」や「歪み構造」はかえって安定あるいは固定したりします。

いわゆる根治のためには、「痛み構造」や「歪み構造」を対象にしなければならないでしょう。
そうは言っても、クライアントさんはしきりに痛みを訴えてくるし、構造なんて見えないし、痛みだけ取ったほうが楽だし、などと思う人がいるかもしれません。

ボディワーカーにとって、この時点で、「ホーリズム」という考え方が大切になってきます。
ボディワークで言う「ホーリズム」とは、人間を全体として捉えるということです。
ボディワークですから、さすがに宇宙全体までは広げて適用せず、体に限定することになりますが。
具体的には、クライアントさんが、身体の一部の不具合を訴えていたとしても、全身やその働きを見るということです。
そして全身を見ると言っても、漠然とではなく、「構造」を見るということです。
「構造」とは、「身体部位間の関係性」のことです。
そしてもちろん「機能」も見ます。
「機能」とは、「身体部位間の働き」のことです。
「構造」「機能」を見たら、それらに働きかけ、それらを丸ごと変化させようとします。
つまりそれが、「2次変化」を狙うことになります。

【「接ぎ木」と「根こそぎ」】
オープンパスのセミナーでは、この「1次変化」「2次変化」についてもお伝えしています。
私自身は、前者を「接ぎ木」的変化、後者を「根こそぎ」的変化と呼んでいます。
接ぎ木するか、根こそぎにするか、ボディワーカーの皆さんには、後者を選んでいただきたいです。



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【おススメの触察セミナー】
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雑味がある姿勢?

姿勢分析をしていると、ときどき、クライアントの姿勢を見て、「雑味」があっていいねえ、なんて思ったりします。
姿勢に「雑味」なんて言葉使わないよ、と言われるかもしれませんが、まさに「雑味」だなって感じで、他に上手い表現が見つからなくて、この言葉を使ったりします。
解剖学的な言葉で言い切ってしまえるんですが、それだとちょっと違うなと思うんです。
「雑味」って、本来の味を損なう味のことで、「雑味」があるというのは、そうした味が混じっているってことです。
だけど、その意味が良い方向に転じて、深みがあるとか、個性があるとかになります。
まあ、だけど、両方の意味がありますね。
姿勢の場合には、その人の重ねてきた経験が、いい具合の「雑味」になるのだと思います。
姿勢も見方によって色々見えてきます。



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【おススメの触察セミナー】
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2026年01月29日

「愛」とか「真理」とかは、ソマティクスではよくわからない

生物にとっていちばんだいじなことは、生きることです。
内臓も筋肉も脳も、生物の器官はそのためにできています。
感覚器もそのためにあります。そう、生きるために。
だから感覚は、私たちを生かしてくれる情報です。
ソマティクスは感覚をツールにしますので、私たちにとってソマティクスは、生きるための演習となります。

ソマティクスの欠点を1つ言うと…感覚器は、生きるのに必要のないノイズを、なるべく最小限にしようとします。
そして、生きるのに必要な具体物、例えば、美味しい食べ物とか、気持ちの良い恋人とかを捉えようとします。
だから、あまり抽象的なこと、たとえば「愛」とか「真理」とかについては、ソマティクスではよくわかりません。



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【おススメの触察セミナー】
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2026年01月28日

触察/「関節感覚」

【触覚の抑制と「関節感覚」】
触察を行う際には、触覚をできるだけ抑制することが役に立ちます。
触察技術をこれから学ぼうとする方々にこれを言うと、「じゃあ、触覚の代わりにどの感覚を使えばいいんですか?」と驚かれます。

最初に、触覚を抑制せずに、むしろ積極的に使おうとすると何が起こるのかを考えてみましょう。
まず触覚を使おうとして指先を細かく動かすことになるので、そんなふうに触られる受け手に不快感を与えかねません。
なおかつその触り方が丁寧でなければ、受け手はモノ扱いされている、つまり単なる触察対象として探られているんだ、とさえ感じるかもしれません。
さらに、触覚を使って体の表面を辿り、そこでの情報を得ることは容易であっても、何層にも重なる器官を越えて深部の対象を捉えることは非常に困難です。
時間をかけて対象へ辿り着いたとしても、そこで得られた情報は不正確な場合が多いのです。

では、どのような感覚を使えばいいでしょう?
私たちの言い方では、「関節感覚」を使うのです。
専門的な言葉を使えば、関節間にある「固有受容感覚」で、関節にかかる圧力や関節の位置を情報として得る感覚です。

【立ち方が触察力に影響する】
触察者が使う手技のツールは、深部の対象へ到達するまでにいくつもの器官を越え、あるいはその隙間を越えて進みます。
その度に触察者の手技ツールからその支持基底面までの関節群が反応し、ツールが何を捉えたかを知らせてくれます。

支持基底面というのは体を支える面のことで、2足で立つときに両足底面とその間の部分を合計した面積を言います。
この支持基底面が広いと、つまり足幅を広くして立つと、姿勢は安定しますが、場合によっては関節が固定されてしまうことで、そこからの情報が少なくなり、触察力が低下することもあります。
つまり、触察者の立ち方が触察力に影響するわけです。

肩を筋緊張させて立つと、関節から情報を得ることが難しくなります。
肘や膝、腰などに緊張がある場合も同様です。
また手技のツールに緊張がある場合、たいていは全身が緊張していますので、触察自体が難しくなるでしょう。

【解剖学の知識と視覚化の能力】
「関節感覚」を使うといっても、触覚をできるだけ抑制し、指先で探ることを避けるのであれば、私たちの手技はどうやって対象に接近すればいいのでしょう?
手技のツールが、例えば最初に触れた皮膚の直下に目標となる対象があれば、あるいは少なくともごく付近にあれば、「関節感覚」を使って、何の問題もなく近づくことができるでしょう。
けれども、離れた地点からでは、「関節感覚」は触覚と比べてかなり不利です。
そこで必要となるのが、解剖学の知識と視覚化の能力です。
ただしこの場合、少なくとも筋骨格系の人体解剖図を記憶している必要があることはもちろんです。
目の前にある体と視覚化された人体解剖図とが上手く重ならないこともあるでしょう。
そんな場合には、皮膚の表面からでも簡単に確認できるような骨指標を頼りにすればいいでしょう。

【触察法の手順】
ここまで触察に関して述べてきたことを触察法の手順としてまとめると、以下のようになるでしょうか。
触察対象とその周辺の解剖図、つまりは身体内部を視覚化する。
その視覚化像を頼りに触察を開始する。
触覚の抑制を試みつつ、「関節感覚」を使って触察対象に接近し、到達する。
こうして見ると、手順としては簡単ですが、実践するとなるとどうでしょう?
解剖図の暗記はそう難しくないでしょうが、実際の体と視覚化像を重ね合わせること、「関節感覚」を働かせることは、難しく感じるかもしれません。
勘のいい方は、この方法を独りでも習得できると思いますが、難しく感じる方は、ぜひオープンパスの各触察セミナーにご参加ください。

【参考書籍】
触察を独学で身に着けることは難しいことですが、触察法や触察の手順などを詳しく教えている書籍は多数刊行されています。
そのなかで私がお勧めする数冊を紹介いたします。
どれも少し専門的な内容になりますが、触察法習得の参考になるかと思います。

『運動療法のための機能解剖学的触診技術 上肢/下肢・体幹』MEDICAL VIEW
『触診機能解剖カラーアトラス 上/下』文光堂
『筋骨格系の触診マニュアル』ガイアブックス
『筋膜系の機能解剖アトラス』医歯薬出版株式会社



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2026年01月27日

姿勢は、立ち方に表れた「個性」

「姿勢」という言葉は、よく比喩的に使われます。
例えば「生きる姿勢」とか「取り組む姿勢」というように。
この場合の「姿勢」は「態度」のような意味合いとなるでしょうか?

「心身一如」という言葉が表すように、人間は「心と体が常に1つ」ではないでしょうか?
ですから、その人が内に持つ何ものかが、外観にも表れます。
その、内に持つものが「姿」に表れたのが、「姿勢」です。

私たちボディワーカーが姿勢分析を行おうとするとき、クライアントの体にまずは「歪み」を探しがちです。
例えば、クライアントの体を貫く、直交する3本の直線を引き、その直線からのズレを捉えて、クライアントの姿勢を判断したりします。

オープンパスの観点では、やはり姿勢には、その人の内的な何かが表れていると考えます。
つまりはその人の姿勢は、立ち方に表れたその人の「個性」と捉えます。
そして、この「個性」は、「創造性」や「主体性」と言い換えてもよいでしょう。

私たちオープンパス・ボディワーカーは、姿勢に対して、「個性」が活きるように働きかけなければなりません。
姿勢は、私たちボディワーカーの勝手な判断で、直したり正したりできる対象ではないのです。
こちらの思いこみで、操作してよいものでは決してありません。



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2026年01月24日

物理世界と感覚世界/ソマティクス外論

【実在と感覚】

実際に存在する世界、略して「実在」とでも呼びましょうか。
つまりは「物理世界」のことですが、この「物理世界」を、私たちは見ることも、聞くことも、触れることもできません。
私は何も、スピリチュアルなこと、神秘的なことを言おうとしているのではありません。
私たちの感覚器官が、「物理世界」を写し取るようにはできていないので、これは当然のことなのです。

感覚の役目は、この「実在」を捉えたり、「真実」を見極めたりすることではありません。
私たちの「生存」に役立つように、私たちの行動を方向付けることです。

感覚は、それぞれの感覚器官によって独自に「加工」されています。
例えば視覚に関して言うと、もともと「物理世界」にはない色を私たちに見せています。
電磁波が物体の表面で反射する現象を目が捉えて、それを神経系が色に変換しているのです。

感覚は、意味のない「物理世界」に意味をもたらします。
混沌とした世界から情報を導き出し、それが「生存」に、あるいは「危険の回避」に役立つか否かの選別を行って、私たちに伝えます。
この情報をもとに、私たちは行動します。

だから当然、「実在」や「真実」は、私たちの感覚が強く働けば働くほど、私たちから遠ざかります。
それが私たちに定められた、「生存」に適した仕組みであり、「生命存続」の道筋だからです。


【感覚とソマティクス】

ソマティクスの研究は、この立ち位置、この観点から始めなければなりません。

ソマティクスの対象は、直接的には体です、それを介して何を狙うにしても。
ソマティクスは、体の在り方や運動に働きかけることで、何らかの変化を起こそうとします。

エクササイズはソマティクスではない、とよく言われます。
体を動かすだけでは、ソマティクスとは言えません。
また、プッシュアップを何回行ったとか、ウェストが締ったとかに、ソマティクスは重きを置きません。

ただし、エクササイズで行う運動を、その形を変えず、そのままソマティクスにすることもできます。
「体が動く感覚」に留意することで、それが可能となるのです。
この「体が動く感覚」を専門的には「体性感覚」と言います。

前述したとおり、感覚は、「物理世界」に意味を与え、「生存」に役立つように情報を選別し、私たちに伝えます。
そのことから考えると、「体性感覚」こそ、他のどの感覚にもまして、私たちを「生存」に結び付けるのではないでしょうか。

ソマティクスは、「体性感覚」に留意するという方法を用いることで、私たちの「生命」をこの世界につなぎとめます。
けれども、体の「実在」や「真実」を浮き彫りにするのでは決してありません。


【感覚と触察】

深部にある筋肉、例えば大腰筋などを触察できるはずがない、という意見があります。
大腰筋の前面には腎臓があり、小腸があり、腹壁筋群があるので、触れられるはずなどないと。

それでは、そういう意見を持つ方々は、浅部にある筋肉、例えば上腕二頭筋や三角筋であれば触察できると考えるのでしょうか?
けれども、それらの上には、皮膚や脂肪層が乗っています。
全身の中で、直接に触れられる器官は多くないでしょう。
皮膚とか、体毛とか、爪ぐらいでしょうか。

私たちは、触察対象を「直接に」触れようとは、始めから思っていません。
触察を行うとき、私たちは、触覚ではなく「体性感覚」を用います。

触覚は、「直接に」触れられる対象を捉えるのには適していますが、皮膚や脂肪層の下、あるいは他の器官の下にある筋肉を捉えるのには適していません。
私たちは、体の中に指を沈めたときに指や手首や肘、肩などの関節にかかる圧の感覚を頼りに触察を行います。
これは「体性感覚」の1つですが、「関節感覚」と呼んでもよいかと思います。


【感覚が、意味のある器官を出現させる】

ところで、私たちは「感覚世界」に生きています。
「物理世界」を直接に捉えることが、私たちにはできないからです。
私たちは感覚を通して、「物理世界」の混沌に意味を付与することで、「感覚世界」を創造しています。
つまり、「感覚する」というのは、「創造する」に等しいのです。

「感覚すること」が「創造すること」に等しいと知るとき、私たちの触察技術は違ったものとなります。
体内という混沌に体性感覚で分け入り、「適した」つまり「意味のある」情報を持ち帰るのです。
私たちが触察するまでは、じつは、そこには混沌しかありません。
「意味のある探索」が、混沌の中から「意味のある器官」を出現させるのです。


【色即是空】

色即是空、空即是色。

私たちが生きる、この世界にあるものは、色や形を持ちますが、それらはすべて仮のもので、その本質は空(くう)であり、不変のものではありません。
この世界とは、前述した「感覚世界」のことです。
「物理世界」は、「感覚世界」としてしか、私たちの前に現れません。
そうであれば、この「感覚世界」以外に、私たちが「係留」できるところはありません。

「物理世界」には、色がないと、先ほど言いました。
そしてもちろん、色だけでなく、音や形もありません。

私たちは、「物理世界」にある振動を音として認識します。
形にしても同様で、様々な凹凸はあるでしょうが、意味のある形はありません。

「物理世界」には、混沌があるだけです。
その混沌を、私たち人間は人間の感覚器官を通して、他の生物は他の生物の感覚器官を通して、それぞれに好都合な形に変換して捉えています。

感覚器官を通して捉えるものは、言ってみれば、すべて「幻覚」です。
私たち人間は、私たちが共有する「幻覚」の上に、生活や文化を構築してきました。
だから、それが「幻覚」だとは思えなくなっています。

最初にあるのは、混沌であり、空(くう)です。



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2024年01月29日

動画「脳出血後遺症に対する筋膜リリース・セッション」を施術者が解説


一昨年の10月末に脳出血で倒れて左半身に麻痺を被りましたが、今では麻痺も消え、ボディワークの仕事に復帰し、以前と同様に個人セッション、セミナーなどに携わっております。
ここまで復活できたのには、もちろんリハビリを頑張ったことが大きいと思いますが、斎藤瑞穂氏による筋膜リリース・セッションによる効果がかなり効いています。
そこで、その効果的な筋膜リリースの実際を、この技術に興味をお持ちの多くの方々に知っていただこうと、オープンパス公式YouTubeチャンネルに斎藤氏の筋膜リリース・ダイジェスト版の動画を公開しました。
今回、斎藤氏がXにてその動画の簡単な解説を公開してくれましたので、それをこちらで紹介いたします。

動画→ https://youtu.be/vR2tWBQpddU

以下、斎藤瑞穂氏による、私(小川)の脳出血後遺症に対する筋膜リリース・セッションの解説です。


【セッション@解説】

ちょっと長くなりますが、全3回のセッションのうち、第一回目の解説を簡単に。

〈0'59"〉 体幹を締め付けている原因と、それに関連する筋肉を探し当てています。
この後で、体幹の緊張と関連する膜の調整をしばらく続けています。

〈2'7"〉 胸郭の緊張とそけい靱帯の緊張が関連していることを確認。痛い部位だけ見ていてはいけない、ということがわかります。

〈3'14"〉 触察でリリースすべき筋肉を割り出し、左右差を確認しました。
左側の筋膜が硬くなり動きも良くないことがわかります。
筋膜が柔らかくなると、痛みが出てきましたが必ずしも悪いことではなさそうです。

〈4'47"〉 誘導しながらくちびるの動き方の練習をしています。

〈6' 19"〉 上唇尾翼挙筋の誘導。誰にでもわかるような言葉やイメージを使って。

〈7'37"〉 痛みが出る=感覚が戻る、ということのようです。

〈8'19"〉 ドラキュラ筋=口角挙筋

オープンパスメソッドってロルフィングみたいなものですか?と質問されますが、わたしが学んだロルフィングはロングストロークで、なおかつ筋膜は「表層筋膜/深層筋膜」に分けられていました。
「重力の中で楽な姿勢」がアイダ・ロルフが目指したゴールです。

オープンパスメソッドは、クライアントさんごとに異なるゴールがあると考えます。
触察をベースにした解剖学を元とし、筋膜の張力を変えることで問題解決を試みます。
なので
原因となる主要筋の特定
膜の層の特定(浅層、深層のみでなく、両方が原因となることもあります)
筋膜の張力を変える、拘縮や癒着の改善、動きの誘導(ソマティクス)がテクニックの中心となります

そして最初のカウンセリング(インテーク)を重視します(これがとても大事)。


【セッションA解説】
今回は少し詳しめに全3回のセッションのうち第2回目の解説。
こんなに細かくセッションするんだ!というのをわかっていただければ平謝り

〈11'37"〉 体制を整える

〈11'50"〉 悪さをしている対象筋は前回と同じく大胸筋かと思うが実は前鋸筋かな?クライアントさんとの感覚共有

〈12:46〉 変化後の体勢を基準に、改めて姿勢分析、見つけた対象筋をリリース

〈13'17"〉 圧痛点が浮上
〈13'59"〉 張力の調整
〈14'11"〉 圧痛点が再び浮上

〈14"40〉 悪さをしている対象筋が見つかりました(今回のラスボス!)
〈14'51”〉 痛かった腸骨付近の部位の痛みは消えました

〈15'37"〉 クライアントとワーカーは、からだの変化を確実に共有しています
-中略-

〈22"49'〉 口腔のリリースに移行、まずは動きを遮る部位のリリース

〈23"06'〉 痛みが出た部位をリリース

〈23"49'〉 唇の動きが悪いのに目の周りに影響大とは!
〈25"44〉 舌の動きを促す働きかけが以降続きます
〈26"20〉 健常側のほうが痛みが強いらしい。だからさ、やっぱり痛いとか悪いとか、そういうところに固執しちゃダメってことなんだと思うのです

〈29"19'〉 頭板状筋、頭半棘筋、当然です
〈30"13〉 広頚筋の必要部位のみ

クライアントさん、こうして、本当に丁寧にリリースをしていることをご理解いただければ…
受講生さん、少しでも参考になれば…

ワーカーとしては当たり前のことだし、こんなことを言葉にするのはみっともないと思って言いませんでしたが、セッションを承らせていただいている時間は最初から最後まで、こうして(時におしゃべりしていても)改善を目指して真剣にかかわっていますにこにこにこにこ


以上です。