2014年10月24日

ボディワーク徒然13/最近のツイートより

自分とは、「自分は何者か」ということを自分に聞かせる作話のことだ。自分でそうとは認めないだろうが、自分によって、自分に都合よく書き換えられた記憶のことだ。
(2014/10/4)


抜くだの、入れるだの、通すだのと、力の行方に留意したって、大本は変わらない。
末梢で何をしたって、その場しのぎにすぎない。
(2014/10/5)


意識が行為に遅れるというのであれば、言うまでもなく、行為の決断や選択は意識の仕事ではない。…意識の存在意義は他にあるということ。
(2014/10/5)


対象を客観的に観察することなど可能であろうか?私たちの現実は、諸々の対象が喚起する「連想」によって構築される。…客観的な観察を強いるのは、私たちの創造性を、延いては現実を否定することになるのではないか?
(2014/10/6)


私たちは何らかの集団に属すしかない。たとえ自分ではそれを認めなくても。…関係が緊密で、共有する考えが多い集団であるほど、メンバーの間に偏見と狂気を養うことになる。
(2014/10/6)


他人の話をまともに受け止めない(その人の目にはそう見えたというだけ…)というのなら、自分自身の話も割り引いて聞いたらどうだろうか?
(2014/10/6)


セッションにて。慢性痛のケース。痛みを扱うだけでなく、痛みを訴えるクライアントに対応する。痛みのある部位だけでなく、痛みを含む構造全体を、加えて痛みの記憶を対象とする。
(2014/10/7)


手技圧について。目的に応じて変えなければならない。例えば疼痛を解消することが目的であれば、それに関わる(拘縮、血管収縮などのある)組織の状態に適合するような手技圧を、体液循環を促すことが目的であれば、その部位の間質圧などに適合するような手技圧を。
(2014/10/8)


私たちは自分の記憶が不変であると思っている。ところが記憶は簡単に書き換えられてしまう。出来事の順序が入れ替わる、筋書きが変わる、考え事が取り込まれる、他人の話が自分の事になる…等々。
(2014/10/9)


膜連続体の張力関係を触知できなければ、歪み構造(拘縮、短縮、疼痛などの背景となる)を本当には正確に把握できない。観察だけでは細部の情報が欠けてしまう。
(2014/10/10)


感覚情報を得る(感覚器官が感覚対象を捉える/非意識にて)→行為が起こる(運動システムが起動する)→意識が立ち上がる(認知システムが起動する:知覚対象の認識、行為達成の自覚)
(2014/10/11)


自分が見ているとおりに他人も見ていると思う。自分が見ているとおりに他人が見ていないと分かれば、自分ではなく他人にバイアスがあると思う。
(2014/10/14)


トレーニング資料の作り直し。疼痛解消テクニックをカリキュラムに含めるのだから、体性感覚については、識別感覚系(内側毛帯路)だけでなく原始感覚系(脊髄視床路)の説明も。
(2014/10/14)


どんな技術も習熟するほど意識を伴わなくなる。
(2014/10/15)


感覚には、外受容的なものと内受容的なものがある。体性感覚で言えば、皮膚感覚(接触感覚)は前者、深部感覚(自己受容感覚)は後者に含まれる。ソマティカルワークでは、両者に対して異なる働きかけを行う。
(2014/10/15)

2014年10月14日

ボディワーク徒然12/最近のツイートより

パフォーマンスを成功させたいなら、個々の動作に留意してはならない。…動作を制御すること、動作に留意すること、これらを同時に行うのは明らかに効果的でない。留意の工夫が必要なのだ。
(2014/9/27)


セッションにおける演出。必ず「ビフォア/アフター」を提示すること。人は変化する前の状態を、変化した後には忘れてしまうことが多々ある。「以前からこうだった」という感想をクライアントに述べさせないように。…変化に対する視力はクライアントにとって強力な武器となる。
(2014/9/27)


変化盲。…視覚情報は大幅に編集される。「何事もなく安全」というように。周囲で突発的な出来事でも起こらないかぎり。だから景色が少しくらい変化しても私たちは気づかない。もともと私たちが経験する現実は全て脳が生み出した「仮想現実」だという。
(2014/9/27)


セッションにて。クライアントは「未知の世界」に。問題解決を急ぎ過ぎた。…過大な変化に対しては言葉を用いる。言葉は変化に対して「結晶作用」を持つ。効果的な言葉は進行中の変化を意味ある形に収める。
(2014/9/28)


説明しなければならない。常に。自分のことを自分に対して、あるいは他人に対して。自分が誰で、どの組織に所属して、職業は何で、何を成し遂げて…。作話もあるに違いない。そうした説明によって、「自分」という像が形成されていくのだ。
(2014/9/28)


身体のどの部位にでも視線を留めると、その部位の状態(拘縮があるとか、癒着があるとか…)を触運動覚的に感受できるというワザ。「共感覚法」と呼んでいますが。「なぜできるの?」と何度も聞かれますが、その度にエア・パルペーション(教えたでしょ?)の成果だと。数週間やれば、誰でも出来ると。
(2014/9/28)


セッションにて。最初に「何が妨げになっているのか?」と考える。仕事の多くは、妨げになっているものを取り除くこと。何かを付け足すことではなく。
(2014/9/29)


連繋させるためには、連繋後のイメージ、形成されるはずの全体のイメージを持つ(最後にそうならなくても)ことが大事。細部を行いつつも。…細部では「個々の部品の端を削って、互いに噛み合うように」というイメージ。「削りながら組み合わせる」という発想。余計な付着物があるから連繋できない。
(2014/9/29)


変化を起こそうとする
私たちの意図がどこから来るのかというと、
私たちが変化を起こそうとする
その対象からである
(2014/9/30)


私たちは筋力を用いて外力の影響を制御しようとする。それでエネルギーは浪費される。アイダ・ロルフは「重力と和解すべきだ」と言った。重力だけでなく、全ての外力との和解、和合が必要かもしれない。外力に対する過剰な身体反応と共に、外界、環境に対する態度を改めなければならない。
(2014/9/30)


これがすき、あれがきらい、それがほしい…
からだがそうしたことを言わなくなってしまったら、
あたまは数字をならべたり、形をなぞったり、大きさをはかったりするだけで、
どんな小さなことも決められなくなってしまう
(2014/10/1)


特別の方法であるとか、その手順であるとかに囚われていては、ワーキングメモリに負荷をかけるばかりか、ワーキングメモリ内でそれらが優先的に活性されることになり、突発事への対応が遅れることになる。
(2014/10/1)


セッションについて。曖昧に始めて曖昧に終えたのでは結果は出ない(見えない)。それは「変化盲」という私たちの特性による。ボディワークが約束する「確実な変化」は演出によるところも大きい。身体教育は変化に関する教育でもあるのだ。
(2014/10/2)


安定を得ようと身体を固める。多くの筋を同時に収縮させて。もはや外力との戦いが始まるしかない。安定を得る最良の方法は外力と和合すること。自らの制御を手放す(自らを放下する)こと。
(2014/10/3)


内面を見つめる、内観するというのは、意識で非意識を捉えようとすること。まあ、本来的に無理な話だ。内面を見つめることで得た情報は、たいがいは本人の作話(本人はそう思っていないだろうが)と考えてよい。…しかしその作話が、人の在り方を変えてしまうこともあるのだが。
(2014/10/3)

2014年10月08日

ボディワーク徒然11/最近のツイートより

〈私〉は語り続ける〈私〉を保つために〈私〉に対して〈私〉に都合よく〈私〉に関する物語を
(2014/9/5)


オープンパス・メソッド(R)は「クライアントセンタード」である。
思想面においてだけでなく実践面においてもそうである。
オープンパス・メソッド(R)には「レシピ」がない。
オープンパス・ワーカーは姿勢分析、動作分析などで得た情報よりもクライアント本人から聴取した内容を重視する。
(2014/9/13)


感じることだけを感じ、感じないことを感じようとしないこと。感じないことを感じようとすれば、感じる対象から遠ざかるしかない。感じる対象を置き去りにして、いったいどこへ行こうというのか?
(2014/9/18)


カタルシスを取り入れているセラピーが、未だにあるようだ。
カタルシスは、怒りや不満を吐き出し、ぶちまける行為を強化するだけ。
それが気持ち良ければなおのこと。
そんなことを繰り返していたら、頭が働かなくなる、というか、対人場面で困ることにならないか?
(2014/9/18)


記憶は感覚情報を受動的に貯蔵したものではない。感覚情報は記憶主体の世界観に合致するように修正される(→知覚化)。メンタルセット(先入観、信念、心構え…)によって取捨選択され、強弱を付され、彩色されなければならない。
(2014/9/23)


ボディワーク・セッションにて。
即座のパターン認識を回避し、待つこと。
曖昧さを嫌わなければ、粘り強く在ることができる。
(2014/9/23)


仮説を立てたなら、その仮説を否定する情報を収集し、否定するための研究を行う。科学者にとって、それは仕事の一環だという。この点に関して、私たちは見習わなければならない。
(2014/9/23)


身体変化を言語化するか否か?それが望ましいときもある。またそうでないときも。
言語化によって身体変化は緩慢になる。あるいは抑止される。言葉の示す方向へ導かれることも。
(2014/9/24)


セッションにて。通常の作業に意識的な制御は必要でないばかりか、妨げにさえなる。それが必要となるのは、突発的な出来事が起こったとき。状況判断のために手持ちの(ワーキングメモリ上の)情報を適切に抑制、あるいは活性しなければならない。
(2014/9/24)


セッションでは必ず結果を出す。そういう仕事なのだ。ただし手技だけで結果を出そうとは思わないこと。例えば「見せる技術」などは大切。「ビフォア/アフター」を提示したり、即効技を用いたり。…ラポールをとる技術などは当たり前に持っていなければならない。
(2014/9/25)


人は圧倒的な結果を見せつけられたときに、その結果が自分の信念(例:身体は簡単には変わらない)と合致しなかったなら、その信念がそれまでどんなに強固であったとしても、それを思い出せなくなってしまうばかりか、以前から自分の信念はその結果と合致したものであったと本気で言い始める。
(2014/9/25)


セッションにて。私たちが意識的に扱える情報数には限度(ワーキングメモリには容量制限)があるので、余計な情報に注意が向いて(ワーキングメモリに過剰な認知的負荷がかかって)いれば、変化の兆候、変化のチャンスを見逃して(ワーキングメモリは必要な情報を活性化できなくなって)しまう。
(2014/9/26)


ボディワーカーにとって体性感覚に関する知識は必須。オープンパスでは、体性感覚のうち表在感覚として圧覚、触覚を、深部感覚として固有覚を取り上げ、強調してきた。秋からのトレーニングでは、技術の更新に伴い、表在感覚として温覚、冷覚、痛覚を、深部感覚として深部痛を加えて取り上げることに。
(2014/9/26)


セッションの大半はオートパイロットで行われる。クルマを運転する際と同様だ。…しかし歩行者の急な飛び出しなどには即座に対応しなければならない。
(2014/9/26)


セッションにて。行為は動作に分解されることで、また動作は関節運動に分解されることで、その〈意味〉を失う。このことを巧く利用する。特に、不具合が〈意味〉によって惹起されたものであるのなら。
(2014/9/26)

2014年10月02日

注意と運動学習

Gabriele wulf 著/福永哲夫 監訳/水藤腱、沼尾拓 訳『注意と運動学習 動きを変える意識の使い方』(市村出版)を再読した。
本書では、注意に関する問題が取り上げられている。
効果的な運動学習のためには、注意をどのように用いればよいのか、あるいはどのような用い方が運動学習を妨げるのか、などに関して述べられている。
運動学習理論が基礎になっている。

運動自体に注意を向けると、本来は非(無)意識的な運動制御の過程に意識的に介入することになり、その過程を妨害する。
それが著者の主張である。
それなので、運動自体から注意を逸らすために、運動の効果に注意を向ければよい、としている。
著者の言葉を用いれば、「インターナルフォーカス」(=運動自体に注意を向ける)から「エクスターナルフォーカス」(=運動の効果に注意を向ける)に注意の向け先(対象)を変えるということ。

これは、運動学習の過程を速やかにする1つの方法であろうが、実際に用いてみると問題点が多い。
まず巧緻的な技術を学習する際には、上手く機能しない。

オープンパス・メソッド(R)では、トレーニング(オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング)の中で、本書とは異なる方法をお伝えしている。
注意の対象ではなく様態を変えるのだ。
すなわち、能動的な様態(通常の様態)(*)から受動的な様態へと。

(*)「インターナルフォーカス/エクスターナルフォーカス」はこの同じ様態において論じられている。

注意の能動的な様態を、オープンパス・メソッド(R)では「能動的注意集中」と呼ぶ。
これは、注意を一点に向ける集中の仕方である。
身体的な緊張を招くので、「緊張集中」とも呼ばれる。

受動的な様態のほうは「受動的注意集中」と呼ばれる。
これは、対象に対して受動的、分散的に注意を向けることである。
身体的な弛緩状態を伴うので、「弛緩集中」とも呼ばれる。

2014年09月30日

オープンパス・メソッド(R)勉強会

現在、月に1度の頻度で、斎藤と二人で勉強会を開いています。
イーズポイントリリース内臓操作、頭蓋骨操作、神経系操作、疼痛解消など、その都度テーマを決めて。

将来的にこの勉強会を、オープンパス・メソッド(R)・アドバンス・ボディワーカー(advanced bodyworker)の方々に公開する予定です。
(2015年6月末には、第1期オープンパス認定インテグレーティブワーカー養成トレーニングが終了し、初のオープンパス・メソッド(R)・アドバンス・ボディワーカーが誕生する予定です)

この勉強会を通じて、これまで試行錯誤してきた中でも最良と思えるものをお伝えし、また皆様と力を合わせて、それをはるかに超えたものに発展させていくことができれば、それ以上に嬉しいことはありません。

2014年09月29日

「ストレス性の耳鳴り」に対するセッション(5分ほどの施術)

先日、5分ほどで施術を行う必要がありました。
クライアントさんは、「ストレス性の耳鳴り」という診断を医者から受けた方でした。
時間がないこともあって、もちろん聴取(カウンセリング)は行いましたが、正式な姿勢・動作分析は行わず、構造・機能的な問題に関しては施術を行いながら身体に聴こうと思いました。

・・・
周辺視で見ると、顔色が左右で違います。
右側のほうが少し暗く見えます。
会話時、話を区切るたびに、下顎右側がわずかに上がります。
頭部右側を肩に近づけるような動きが見られます。

周辺視を続けていると、共感覚が立ち上がります(いつものことですが、視覚情報によって体性感覚情報が立ち上ります)。
私の手指は受け手の方の顔面右側、ちょうど耳のあたりに引かれます。
そのあたりを指す(実際には指していません)と、私の呼吸は浅くなります。
指すのをやめると、呼吸はもとの深さに戻ります。
胸鎖乳突筋が硬く、乳様突起あたりに拘縮があると感じます(触れていません)。
顔面は右側のほうが冷たく、体液の流れを感じ取ることができません(やはり触れていません)。
(以上のような感受性は、エア・パルペーションという触察の練習法を続けていると確実に得られます)
この時点で、周辺視を始めてから10秒くらい経過しました。

背臥位になっていただき、胸郭上口から側頭部右側までを弛めながら、頭部をホールドします。
共感覚で感受したとおりに、乳様突起のすぐ尾方に拘縮を発見します。
拘縮の周囲を弛めるために、頸部の角度を調整します。
拘縮をリリースしながら、顔面右側に軽く触れて、体液の流れを作り出します。
受け手の方に変化を感じていただくために、変化のプロセスを追うような触れ方を加えます。
受け手の方は変化を感じられ、「もう大丈夫です」という言葉。
その言葉を受けて、状態が安定したのを確認後に終了しました。
施術を始めてから終了するまで3分くらいだったでしょうか。

2014年09月11日

痛みの解消/身体構造を扱うというのであれば、それはボディワーカ―の仕事だろう。

身体に痛みがあるとクライアントに訴えられると、多くのボディワーカーは過剰反応を示す(尻込みする)。
その痛みが身体構造と無関係に存在し、自分たちは身体構造を扱うが、痛みは扱わない。
そう言いたいようだ(特に、構造派の人たちは)。

ボディワークが対象とする身体の多くは、というかボディワークが対象とするか否かに関わりなく大半の身体は、構造的な歪みを抱えている。
痛みは、それら構造的な歪みとは不連続的なものだろうか?

本当のところ痛みは、それら構造的な歪みを温床として生じる場合が多い。
その他に、突発的な出来事の結果として生じる場合、生理的な負荷によって生じる場合などがあるだろうか?
第1の場合には、当然連続的なものだが、第2、第3の場合にも、最初はそうでないかもしれないが、時間の経過によってそうならざるを得ないだろう。

怪我、あるいは臓器の障害などを抱えながら、筋骨格系(最も身体構造に関わる系)が何の影響も受けないことなどあり得ない。
痛みのある部位を、私たちはどうやって庇うだろうか?
姿勢を固めたり、動作を控えることによって庇うのではないだろうか?

痛みは湿布のように身体表面に貼り付いたものではないし、体内に侵入した異物でもない。
それは剥がしたり、取り出したりできるものではない。
身体構造を扱わなければ、痛みは解消されない。
解消されたとしても一時的なもので、痛みはすぐに戻ってしまう。

身体構造を扱うというのであれば、それはボディワーカー(特に、構造派の人たち)の仕事だろう。

2014年09月03日

ファシャワークとファシャワーカー養成トレーニングについて

ファシャワークとファシャワーカー養成トレーニングについて、ご質問をいただきました。
その際にお答えした内容の一部をこちらに転載いたします。


ファシャワークは、オープンパス・メソッド(R)の一技法(群)で、膜連続体を対象とします。

膜連続体は、張力によって連続する膜様の構造体です。
それは全身に渡って、重層的に連続しています。

膜連続体は、問題の生じた部位に向かって収縮します。
これは保護的な働きですが、この働きによって膜連続体に不均衡な張力関係が生じ、身体構造にも影響を及ぼします。

ファシャワークでは、こうした問題状況に対し、数々の方法を用いて解決を図ります。

経験を積んだファシャワーカーは、観察(姿勢&動作分析)によって、問題の生じた部位を予測することができます。
また身体に触れることで、張力を通じ、その部位を知ることができます。

その部位が浅筋膜に存在するのか、深部筋膜群に存在するのか、深部筋膜群の中でも内臓に関わるのか、神経系に関わるのか、疼痛を伴うのか、などによって対処方法が異なります。

ファシャワークには、浅筋膜操作深部筋膜操作イーズポイントリリーステクニック(ファシャワーク+α 、・・・と言うより「ファシャワークが対象とする範囲を含む」と言うほうが正しいかもしれません)、内臓操作、神経系操作など、様々な技法が含まれます。

ファシャワーク・テクニックの全てをファシャワーカー養成トレーニングでお伝えするわけではなく、筋骨格系以外の深部筋膜群の操作、疼痛を伴う場合の操作などは、インテグレーティブワーカー養成トレーニングのカリキュラムに含まれています。

2014年08月29日

共感覚+α

オープンパスのパルペーション・トレーニングでは、エア・パルペーションという、触察テクニックを身につけるための練習法をお伝えしている。
これを続けると、手技のツールとして用いる手指、手掌、拳などの感覚が視覚イメージなどと結びつくようになる。

例えば頸部の筋膜に張りを作る。
その張りが大腿部まで届くと、手指の感覚を助けるように、大腿部がリリースされる視覚イメージが浮上する。
実際に確認すると、大腿部までリリースされている。

張りが届くのが感じられ、その部位の視覚イメージも浮上するが、リリースは起こらない。
そんなとき、(自分の)呼吸が抑制されているのを感じる。
呼吸がスムースになり、リリースが起こったと知る(あたまが知るより先に、からだは知る)。
同時に、その視覚イメージが浮上する。


十数年前の話になるが、マーク・カフェルが身体組織をリリースするとき、花の香りがすることがあった。
シン・インテグレーションのトレーニングは長野の小谷で行われた。
合宿所の庭に花が咲いていたので、それが強く匂ったのかもしれない。
しかし、そんなことが数回あった。

今では、自分の施術中にリリース臭がすることは度々ある。
しかし、花の香りはしたことがない。

2014年08月24日

ケース:疲労感、息苦しさ、右肩から首にかけての懲りなどに対して働きかける

昨年11月、オープンパス・メソッド(R)・ボディワーカー向けに内臓操作のワークショップを開催しました。
それ以来、よく聞かれるのは、私自身は誰の、あるいはどの団体のワークショップ、セミナーで内臓( **)操作を習ったのか、どんな資格を持っているのか、ということです。
しかし残念ながら、私は誰にも、どの団体からも習っていませんし、どんな資格も他者から授与されていません。

ボディワークという仕事を初めて以来、ボディワーク系のワークショップ、セミナーに参加したのは、私の記憶が正しければ(17年で)2回(誰だか忘れましたが、ロルフ・ムーブメント・プラクティショナーのセミナー、それとトム・マイヤースのワークショップ)です。

私は大半のことをセッションで、言い換えるとクライアントの方々から、失敗を繰り返しながら(クライアントの方々には申し訳なく思っています)学びました。
今になって思うと、もう少しセミナー、ワークショップなどに参加していたら、もっと速やかに前進できていたかもしれません。

内臓操作テクニックは、今秋から開催される第1期オープンパス認定インテグレーティブワーカー養成トレーニングのカリキュラムに含まれています。
この内臓操作テクニックも、セッションでの試行錯誤の中で生まれたものです。

内臓操作テクニックを完成させるきっかけとなったセッションの1つを紹介させていただきます。


【疲労感、息苦しさ、右肩から首にかけての懲りなどに対する働きかけ】

クライアントの訴えは以下のとおりでした。
少し前から疲労感が抜けない/息苦しい感じがある/右肩から首にかけて強い懲りがある/右腕が挙げにくい/背中の真中に締めつけられるような感覚があり、疲れが増すとそれを強く感じる

医学的検査では異常が見つかりませんでした(2ndオピニオン、3rdオピニオンでも)。
どの医師からも休養することを勧められました。

インタビューで以上のことなどを聴取した後、姿勢&動作分析を行いました。
体幹はにわずかに右側屈、右肩が胸郭に対しては拳上(左肩のほうが高いが)、重心は左足、など。

ワークを開始しました。
クライアントは背臥位です。
両足を軽く牽引して全身の張力関係を調べました(この方法で多くの情報を得られます。筋骨格系の情報だけではありません)。
左足に比べて右足が伸長しません。
牽引する方向を変えながら調べると、表層では右鎖骨付近に「引き」があり、深層では横隔膜にそれより強い「引き」があります。

横隔膜を触察すると、肝臓が付着する部位に明確な「引き」があります。
臓器をワークの範囲に含めることに関して、その当時は躊躇がありましたが(自らの臓器を対象に触察練習だけはしていました)、自らの感覚を信じ、肝臓の下面をエントリーポイントに選びました。
肝冠状間膜、縦隔、胸郭上口(これらの間に「混線」としか言いようのない「引き」がありましたので)に留意しながら、肝臓を頭方へ軽く圧しました。
ところが張力の変化を上手く捉えられず(大半は「混線」によると思います)、クライアントを「リクライニングシート・ホールディング」で支えました。
クライアントは背臥位から、ワーカーの身体とクッションで上体を支え上げられます。
右肋骨弓の前側面に両母指球を当て、肝臓の下面をフックし、わずかに持ち上げました。
張力の変化を待って(筋骨格系に対する施術経験を活かしました)、肝臓を元の位置に戻し、膜の緊張を調べると、最初の「引き」が少し弱っていました(「混線」もある程度は治まっていました)。
同じことを幾度か繰り返すと、「引き」が消え、周囲と均質な状態になりました(この瞬間に起こった肝臓の自動的な動きには驚かされました。各臓器自体の動きについての、最初の大きな発見でした)。

以上のワークを行った後、訴えのあった部位に触れていきました(触察とリリース)。
その後、クライアントに状態を聞くと、最初に訴えた問題のうち、首の懲り以外は解消したとのことでした。
クライアントの様子が変化している(疲れた様子が消えている)ように見えたので、そのことを伝えました。
首の懲りは最初に比べると、3割くらい残っているとのことでした。
姿勢&動作分析を再び行った後、右肩部から頸部に対してイーズポイントリリーステクニック斎藤から教えられたこのテクニックを、この頃はまだ十分に使いこなせていなかったのですが、このとき、このテクニックが全身の張力関係に関わるものであると認識できました)を使いました。
首の懲りも解消し、セッションを終了しました。

次回のセッションまで様子を見て、問題がないようなら目標の最設定(クライアントの希望)を行うことにしました。