2017年03月27日

相対論の観点からオープンパス・メソッド(R)について話す/ソマティカルワーカー養成トレーニングにて

ソマティカルワーカー養成トレーニングでは、全単位の半分近くが講義(座学)となります。
オープンパス・メソッド(R)の背景となる理論、思想をお伝えするのが、本トレーニングの目的の1つだからです。
オープンパスは、開設当時(2000年)から継続的に、ボディワークの理論を洗練させ、その思想を深めるための研究を行っています。

今期はこれまでの期にまして、ソマティクス、ボディワークについて、多くの観点からお伝えしています。
ソマティカルな問題を、1つの観点に囚われず、様々な観点から自由に扱えるようにとの考えからです。

以下の動画では、オープンパス・メソッド(R)について相対論の観点からお話ししています。

2017年03月21日

ソマティクス(ソマティカルワーク)、実践的なテクニック!

今期のオープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニングは、かなり実践的な内容となっています。
今期も、テキスト、実習テクニックともに、斎藤瑞穂氏が準備しています。
今期の特徴は、テクニックが実践的で、効果が目に見えるところでしょうか。
動きの修正はもちろん、痛みの解消も可能なテクニックをお伝えしています。





以下は、再参加の村上仁氏のブログです。
ソマティクス(ソマティカルワーク)によって、痛みの緩和が可能であることを書かれています。
http://airymotion.hateblo.jp/entry/2017/03/19/112504

2015年07月07日

第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング・クリニカルセッション

7月5日、第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング・クリニカルセッションが行われました。

クライアントモデルの皆様、クリニカルセッションへのご参加、ご意見、ご感想をありがとうございました。

受講生の皆様、お疲れ様でした。
効果的なセッションが多く、良い評価もいただきました。


今回、私は1セッションだけですが、クライアントモデルとして参加しました。
今期生の皆様が、現時点でどのくらいの実力を身につけているのか、自分の身体を通して知りたかったので。

私の訴えは、数ヶ月前から胸郭の動きが悪いことでした。
カウンセリングが行われて、主訴は胸郭と左股関節の動きの悪さ(注)、セッション目標はそれらの改善ということになりました。

(注)オープンパス・メソッド(R)では、「クライアントの訴え≠主訴」です。
主訴はカウンセリングの過程で、クライアントとボディワーカーとが話し合って「作って」いきます。

カウンセリングが終わって、ムーブメントの誘導が始まると、テンポよくセッションが進行し、素早く変化を感じ取ることができました。
用いるテクニックのアイデアが途切れることは何度かありましたが、終了時には、主訴はかなり改善していました。
左股関節には痛みがあったのですが、それも解消されていました。
クライアントとしては大満足、講師の立場としてはひと安心です。


クリニカルセッション終了後、打ち上げとなりました。
教室では、私たちが講師の立場ですが、教室以外では、特に私などは教わることが多いです。
今回の打ち上げでは、職場で指導的立場の方々、自由業で勝負している方などから、様々なお話をお聞きすることができました。
大変に楽しいひと時を過ごせました。


2週間後に2回目のクリニカルセッションがあります。
受講生の方々はそれに向けて、勉強会を開くそうです。
腕を上げていること間違いなしでしょう(できたら、再度クライアントモデルとして参加したい!)。

2015年06月22日

第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第13回

6月21日、第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第13回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。
第14、15回が認定試験(クリニカル・セッション)なので、今回が最後の授業となりました。
最初にセッション進行上の簡単な注意点をお伝えし(注)、質疑応答の時間を取った後、セッション実習を行いました。

(注)クライアントセンタードでセッションを進めること、それに関わって主訴の捉え方、また、セッションでの成果を日常に般化させるために、どのようにカウンセリングを行うか、などをお伝えしました。

右股関節に働きかけています。
クライアントに感覚留意、身体運動の指示を行っています。
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肩関節の可動域を広げるためのソマティカ
ルワークを指導する斎藤講師
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2015年05月18日

第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第11回

5月17日、第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第11回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。

今回は、セッション実習(前回、時間切れで行えず、今回に持ち越した1組のセッション)から始めました。
セッションの目標設定から始めていただいたのですが、クライアント役の方の表現が想像的かつ独特で、ワーカー役の方が苦労されていました。
前回までは、途中で口を挟まずに、カウンセリングからワークまで自由に行っていただき、セッション終了後に皆(見学者全員)でコメントするという形で進めたのですが、難しい展開になるような気がしたので、目標設定の段階で介入しました。
クライアント役の方が、自分の身体に関して「広い」「明るい」「光を感じる」などの表現を使っていらしたのですが、これらの言葉を具体的な身体関連語に還元していく作業をしていただきました。
また、ワーカーはなるべく自分を「空」にして応答すること、クライアントの身体認知を高める応答を心がけることなどをお伝えしました。

その後に行った質疑応答の中で、カウンセリングは主訴を形成する作業だということを強調しました。
主訴はクライアントによって持ち込まれるものではなく、カウンセリングの場で作られるものです。
オープンパス・メソッド(R)のボディワーク・セッションは、「クライアント・センタード」で進められるのですが、それはクライアントの言いなりになるのでも、自らの責任を放棄するような進め方をするのでもありません。
クライアントと協力し、クライアントが納得するような形でセッションを運ぶために、カウンセリングにおいては(ワークだけでなく)、「主訴の形成」「目標設定」という技術を駆使します。


セッション実習の後、横紋筋の特徴(注1)、運動単位(注2)、ワーキングメモリ(注3)についての講義を行いました。

(注1)筋肉を形状によって区別すると、横紋筋と平滑筋に分けられます。
横紋筋には骨格筋と心筋があり、それらを働きから見ると随意筋と不随意筋になります。

(注2)1個のα運動ニューロンに支配される筋線維の数のことを言います。
1個のα運動ニューロンが多くの筋線維を支配するとダイナミックな動き(力強い収縮)を、少ない筋線維を支配するとデリケートな動きを生み出します。

(注3)学習、記憶、熟練に関連付けて解説しました。
また、注意(注意分散、弛緩集中、受動的注意集中)がワーキングメモリの活用においてどのように働くかを説明しました。

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実習では、筋紡錘、ゴルジ腱器官に働きかける技術をお伝えしました。
スタティックムーブ、マッチメイキング、マッスルコーディネーションの3技術です。

今回は、参加者人数が奇数でしたので、私も実習に加わりました。
実は上記の3技術は斎藤講師の考案したもので、私は初めて体験したのですが(私も講師のはずですが・・・本トレーニングは斎藤講師が主になって進めていますので(汗))、驚くべき効果です。
早速、実践できそうです。


最後に、予備動作についての講義と演習を行いました。
予備動作とは、ある動作の準備として行われる動作のことです。(注4)
この動作を観察、把握できると、ソマティカルワークにおいて適切なムーブメントを創作できます。

予備動作は見えないことが多いのですが、この見えない動作を改善するだけで、見える動作(リーチ動作、歩行動作、投球動作など)が大きく変わることが多々あります。

(注4)身体を用いたある技術を習得するとします。
初心者がその技術を行うと、予備動作はあからさまに見えます。
ところが習熟者が行うと、ほとんど見えないか、技術を遂行する一連の流れの中に吸収されてしまっています。


画像は予備動作を特定しているところです。
高い触察力があれば、どんな予備動作も見つけ出せます。
習熟した動作の中にも、筋線維の「うごめき」を探り出すことができます(習熟者の方々はそれを否定するかもしれませんが)。
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2015年04月20日

第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第10回

4月19日、第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第10回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。

今回はソマティカルワーク・セッションの進め方について学びました。
インテークから姿勢チェック、動作チェック・・・といったセッションの流れを説明し、30分のセッションを行いました。
ソマティクスに関して、現時点で、どれくらいの理解度に達しているかを各自、そして互いに確認しました。

今回は、テクニックの背景となる身体思想や技術論を学ぶこと、深めることの大切さをお伝えできたかと思います。
「変化」「自由」などの概念に関しては、かなり突っ込んで話し合えたのではないでしょうか。

ところで、今回、私はクライアントモデルとして演習に参加したのですが、その際にワークしていただいた部位がかなり良好です。
ワーク前は違和感があったのですが、これを書いている現在はまったくなく、その部位の可動域が広がっています。

2015年03月16日

第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第8回

3月15日、第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第8回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。
本当は、前回「第6.5回」の続きで「第7.5回」なのですが、0.5回分を他の回に加算することになりましたので、「第8回」とさせていただきました。

今回の講義は、「ソマティクスのための生理学(脳神経系1〜3)」と「神経伝達に関する復習」をテーマとして行いました。
演習は、道具を用いて行いました。

講義では、多くのご質問を頂きましたが、多分、神経系に関しては「難しいけれど、興味がある」といったところでしょう。
神経系に関して、まず全体をロケーション(「ハード」の面)と働き(「ソフト」の面)に区分して説明しました。
この辺りの知識の混乱は、「ハード」と「ソフト」を取り違えるか、また混同してしまうことによって起こるのではないかと思います。
神経伝達器官については、復習として、シナプスについて簡単な講義を行いました。

今回の講義から派生した+αの内容で、キーワードになるものとして、「回路」「創発 emergence」「第1次変化/第2次変化」「考えて出るのは数学的な答えだけ」などがありました。
オープンパス・メソッドの基礎(土台)にある考え方なので、受講生の皆さんは、どんな内容だったか思い出して、ぜひ心に留めておいてください。

演習では、人数の関係で私も皆さんに加わりました。
道具を用いると、多様な感覚入力ができるので、効果が倍増します。
皆さん、高い効果を体験できたでしょうか。

2015年03月02日

第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第6.5(?)回

3月1日、第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第6.5回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。
「第6.5回」というのは、実は前回、私の個人的な事情によって、通常の半分の時間で終了させていただいたためです。
受講生の皆さんには、ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。

前回(第5.5回)は講義だけで、演習の時間が取れなかったので、今回は全ての時間を、演習とその説明に使いました。
演習内容は、主にソマティカルワークの基本的なテクニックでした。

◆今回の演習内容を板書
しながら説明する斎藤講

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◆斎藤講師による身体運動&
感覚誘導(ペア練習の準備と
して受講生にソマティカルワ
ークを体験してもらうため)
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◆感覚入力を用いて効果をコントロールする
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◆演習風景(下肢に対するコーディネーション・プリング)
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◆デモンストレーションを行う斎藤講師(下肢に対するコーディ
ネーション・プリングの応用編)
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◆デモンストレーションを行う斎藤講師(上肢に対する
コーディネーション・プッシング)
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2015年02月03日

第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第5回

2月1日、第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第5回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。

ソマティカルワークは、ファシャワークと同様に、身体に関わる変化を狙いますが、その手続きに関しては、ファシャワークとは異なります。
ファシャワークが身体構造を対象とするのに対して、ソマティカルワークは身体機能を対象とするからです。
ファシャワークと同様に身体にタッチすることがあるとしても、ソマティカルワークにおけるタッチは、末梢器官の構造ではなく、その機能(筋紡錘、ゴルジ腱器官の働きなど)、もしくは中枢の機能(神経伝達系、認知系)を対象とします。

今回の講義(斎藤講師のブログ記事)では、これまでと異なった分野に踏み込みました。
これまではすべて、ソマティカルワークの背景となる理論の中でもソフト(認知科学的)面に関しての内容でしたが、今回は、ハード(神経科学的)面に関しての内容も含めました。
少し難しい内容だったかもしれませんが、この部分を理解できているといないとでは、実際、ワークの深みが異なってきます。

今回の実習では、第4回までにお伝えしたテクニックを、ショートセッションで実践していただきました。

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2015年01月20日

第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第4回

1月18日、第2期オープンパス認定ソマティカルワーカー養成トレーニング第4回(講師:斎藤瑞穂、小川隆之)が開催されました。

今回の講義では、ソマティカルワークによる変化のプロセス(ゲシュタルト心理学の観点から見た)、感覚−知覚−認知の関係( **)、感覚のクオリティとモダリティ、について説明しました。

*講義の詳しい内容はこちら(斎藤講師のブログ記事)

演習では、ゲシュタルト心理学に基づいた3つテクニックを行いました(ゲシュタルト心理学で用いられる「図/地」の概念を用いて、各テクニックについて説明しました)。
以下のとおりです。

(1)図と地を交換するテクニック
(2)図を次々と移行(移動)させるテクニック
(3)図を広げるテクニック

以上のどれも、注意の用い方が鍵になるテクニックです。
注意の用い方によって、身体に変化が起こります。
(1)では、複数の身体部位に対して、受動的に注意を向けました。
ある部位に注意を向けると、その部位は図となり、他の部位は地となります。
図となった部位には、様々な反応があり、変化が生じました。
(2)では、複数の身体部位に次々と注意を向ける方法をお伝えしました。
(3)では、複数の身体部位の動きに注意を向けました。
多数の動きを同時に行い、注意を向けること(マルチタスク)で、「注意分散状態→受動的注意集中」という現象を起こすことができます。
これも、大きな変化を体験できる方法です。